マエケン“侍エース”任せろ!

 広島・前田健太投手(27)が14日、代表に選出された国際大会「プレミア12」(11月8日開幕、日本と台湾で共催)で、侍のエースとして期待に応える活躍を誓った。この日マツダスタジアムで始まった秋季練習に参加。ポスティングシステムを利用した米球界挑戦の希望をあらためて口にする一方、球団側の配慮を受け、まずは世界一貢献に集中する。

 4位に沈んだシーズン最終戦から1週間。前田はしばしの休日を終え、本拠地でナインと再会した。時折笑顔をのぞかせ、ランニングなどで汗を流した。

 来季巻き返しを狙うチームの中、右腕だけは目の前に大きな戦いが控えている。11月8日から日本と台湾で初開催される「プレミア12」に、広島から唯一選出された。9日の代表発表会見では小久保監督から「中心で引っ張ってくれるだろうと思います」と期待を寄せられた。前田は代表発表後、この日初めて報道陣に対し、侍ジャパンのエースとしての意気込みを語った。

 「緊張感のある大会になると思う。監督から期待されるのは光栄です。それに応えられるよう頑張りたい。日本代表でもカープでも変わらない。マウンドに上がる以上は、期待に応えられる選手でありたい」

 今季はエースの務めを全うした。15勝8敗、防御率2・09で5年ぶりの最多勝を獲得。個人としては納得のシーズンを送ったが、チームは3年ぶりにBクラス転落。「2年連続でCSに行けていたので、悔しいし不思議な感じがする。悔しいシーズンになった」と複雑な胸中を明かした。

 その一方、球団に権利があるポスティングシステムによる米球界挑戦については「気持ちがコロコロ変わるぐらいなら口にしていない」と、あらためて意欲を口にした。前田は13年オフに初めて挑戦の意向を表明。不本意な成績に終わった昨オフは球団から容認されなかった経緯がある。

 球団は今オフ、本人の意向を確認しながら、慎重に検討を進める方針を固めている。また、右腕を「プレミア12」に集中させるため、表立った話し合いは、大会終了後に行うよう調整している。

 その球団側の配慮を、前田は「僕1人だけの権利ではないので」と受け止めた。米球界挑戦の夢の前に、成し遂げなければならない“世界一”。「今から仕上げるというのはない。ゆっくりと調整していきたい」。侍のエースが自然体で世界の舞台に立つ。

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