黒田来季白紙…現役続行?引退か

 「広島0-3中日」(7日、マツダスタジアム)

 広島の黒田博樹投手(40)は7日、来季現役続行について熟考する意思を示した。シーズン最終戦となったこの日は、ブルペン待機したが登板機会なく終了。8年ぶりに古巣復帰した1年について「自分なりに完全燃焼できた」と話す一方で、来季について「いまの感情で決めるのは難しい。体を休めてから決めたい」と明かした。

 今シーズン最後の“投球”として、スタンドにサインボールを投げた。総力戦、総動員を期して臨んだ最終戦。ブルペン待機していた黒田は、登板機会なく試合終了を迎えた。26試合の登板で11勝8敗、防御率2・55。8年ぶりに復帰した1年で、確かな成績を残した。

 「終わってしまったことは仕方ない。どうこうはできないので。チームとして結果的に優勝できず、CSにも行くことができなかった。自分の中でも力になれたか、なれなかったのか分からない」

 あえて淡々と言葉を並べた。メジャーリーガーの電撃復帰に、広島が沸きに沸いた1年。「自分としては完全燃焼できた。充実した1年だった」と話す一方で右かかと痛、右肩痛に苦しんだ。「(体が)思い通りにならないこともあった。そういうのを抱えて野球をするのも、年齢的に苦しくなっている」と率直な思いも吐露した。

 41歳となる来季について、球団は全力で慰留する方針。球団首脳は「当然、戦力。簡単にはいかないだろうが、彼の結論が出るのを待つ。やってもらわないと困る」と話した。成績、投球内容に加えて、練習姿勢や絶大な人気。チームに与える影響など、来季もなくてはならない存在だ。

 「一端、リセットして考えたい」と黒田。オフ期間に米国に戻って、熟考して答えを出すつもりだ。「野球を続けるにしても、それなりの覚悟がいる。こればかりは、今の感情で決めるのは難しい」。現役続行か、引退か。決めるのは本人だが、チームが、広島の街が願っている。吉報を信じて待つしかない。

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