広島の黒田博樹投手（４０）が３日、出場選手登録を抹消された。４月２７日に広島市内で、チームドクターに「右腓骨（ひこつ）筋腱（けん）周囲炎」と診断されていた。外くるぶし後ろの腱の炎症で、開幕当初から症状があったという。大事を取った上の措置で、順調なら１５日のＤｅＮＡ戦（マツダ）で復帰する見込み。チームはこの日、投手陣が７失点しヤクルトに逆転負け。大黒柱不在の危機を全員で乗り切るしかない。

　逆転負けを喫した夜。試合前からチームにショッキングなニュースが届いた。８年ぶりの古巣復帰からチームを背中で、投球で引っ張ってきた黒田が故障。この日、出場選手登録を抹消された。松原チーフトレーナーが詳細を明かした。

　「先月２７日にチームドクターの診察を受けた。理由は『右腓骨筋腱周囲炎』。くるぶしの外（後ろ）に走っている腱です。登板の間隔で改善させながら、最善を尽くしてきましたが、先日（５月１日）の登板で改善が遅れた。投球にも支障が出てきた」

　黒田は１日のヤクルト戦（神宮）に中５日で、復帰後初のナイター登板。６回６安打、今季ワースト５失点で降板した。同トレーナーは「（本人は）次の登板に、意欲的にやりたいと意志が強かったが、今後を踏まえてストップをかけた。本人は『早い時期にチームに戻る』と言っている」と説明した。

　故障時期や原因について、同トレーナーは「断定しにくい」とした上で「総合的な判断。投げられない症状ではなかったが、早い時期からあった」と続けた。開幕当初から、慢性的な痛みを抱えながらの投球で、最近は練習後も患部をアイシング治療していた。日本のマウンドへの対応や、蓄積疲労などもあったようだ。

　開幕からここまで６試合に登板し、３勝２敗、防御率３・４６の成績。５戦連続でクオリティースタート（６回以上を自責３以内）を記録していた。黒田はチームから離れ、既に広島に戻った。今後はまず連休明けに、広島市内の病院で診察を受ける予定。その後、リハビリを始める。

　緒方監督は試合後、抹消について「本人は次もいくつもりで、気持ちを強く持っていたが、これから先もローテで投げてもらいたいから」と説明。復帰時期については「１回（登板を）飛ばさせてくれ、と。彼と話して納得してもらった」とし、順調なら１５日のＤｅＮＡ戦（マツダ）で復帰見込みだ。チーム浮上に欠かせぬ右腕。早期回復を待つしかない。