広島・丸、G戦打ちます!勝ちます!

 広島・丸佳浩外野手(25)が9日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、3900万増の9000万円で一発サインした。今季は打撃主要3部門で、キャリアハイを記録したが、巨人戦での得点圏打率だけ・226と低迷。来季24年ぶりの優勝へ欠かせぬ男は「大事なところで打てるようにしたい」と、打倒・巨人を力強く誓った。

 大幅アップを手にしても、会見で丸に笑顔はなかった。今季に満足感を覚える一方で、見据えるのは来シーズン。2年連続3位でCS進出も「上位との差を感じた」と振り返った。求めるのは“ここぞ”の1本。チームをVに導く一打だ。

 「悔しかったですね。出だしはものすごく良かったが、交流戦9連敗や終盤の大事なところで勝てなかったので」

 全試合に出場した今季は打率・310で19本塁打、67打点と主要3部門でキャリアハイを更新した。だが、球団別に見ると、巨人戦に課題が残った。対戦打率は・301も、得点圏打率は・226。東京ドームに限れば・100まで落ち込んだ。中日戦の・400を筆頭に、得点圏打率は他の4球団で3割を超えただけに、際立つ数字となった。

 「どこの球場が嫌だとか、苦手意識は特にない」と話すだけに、来季の飛躍はここにあると考える。チーム打率、本塁打、得点の全てで、広島を下回った巨人が3連覇。「後半の大事な試合で、ここ一番で打たれている。そういうところだと思う」と分析する。

 鈴木球団本部長は「走攻守、全てでいい働きをしてくれた」と前置きした上で、巨人戦でのさらなる活躍を期待。「ここ、という時に警戒されるので。クリーンアップの大事なところを任せていますから。もっと打てると思うし、彼が打てる、打てないでチームの勝敗も変わる」と続けた。

 丸自身も役割を理解している。2年連続3位でCS進出。悔しさを感じる一方で、緊迫した中での「経験」は来季の武器になる。今季の対巨人戦は10勝13敗1分け。この勝敗が逆転すれば、リーグ優勝も見えてくる。

 「まだまだ僕も含めて若いチームなので。勢いだけじゃなく試合の中のヤマ、大事な場面でのプレッシャーを、パワーに変えたい」

 年末年始も広島で自主トレを続ける予定。90キロの体重を維持しながら、全試合出場できる体をつくっていく。「(鈴木本部長とも)『優勝しよう』という話をしたので。キクと僕で引っ張っていけるようにしたい」。個人記録に興味はない。24年ぶりの悲願へ、丸が打倒・巨人の鍵を握る。

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