マエケン 大谷に“両倒”されちゃった

 「交流戦、日本ハム6‐2広島」(4日、札幌ド)

 広島・前田健太投手(26)が五回に5者連続適時打で逆転を許し、5回5失点で4敗目を喫した。日本ハムの二刀流・大谷に投げ負け、二塁打も打たれた。野手の拙守も目立ち、これで日本ハム戦は7連敗。今季の交流戦前半を終えて4勝8敗となった。リーグ首位に立ちながら、交流戦は単独最下位に転落した。

 悪い流れを止められなかった。前田は試合後、淡々と振り返った。「五回はもっと早く、もっと少なく収められた。しっかり抑えていれば、もう少し違う展開になっていた」。今季最短タイの5回KO。今季ワースト5失点。平静さを装う姿に、悔しさがにじんだ。

 1‐0の五回、一挙5点を許した。先頭・大谷の高く上がった打球は左翼・エルドレッド、中堅・丸、遊撃・木村の間にポトリ。この不運な二塁打から暗転した。犠打で1死三塁とされ、中島の左前打で同点。続く西川の中前打、近藤の左越え二塁打、陽岱鋼の右中間二塁打、中田の左前打と、まさかの5連続適時打を浴びた。試練のマウンドで、エースはうなだれた。

 初回に直球151キロを計測した。三回まで無安打に抑えた。「調子は悪くなかった」と話したが、逆転負けに「反省して同じことがないようにしたい」と、責任を受け止めた。

 また大谷からだった。昨年6月15日・日本ハム戦(札幌ド)は同点の八回、1死から大谷の二塁打から勝ち越されて敗れた。あれから1年。「相手は指名打者がいるようなもの」と警戒していた。

 今回は、初めて大谷と投げ合った。自身が打席に入った2度の対戦はともに凡退。「今年打席に立った中では一番速い。少し違うタイプの直球」と、潔く相手の力を認めた。

 チームは日本ハム戦7連敗となり、交流戦は4勝8敗で最下位転落。野村監督は「相性が悪いと言えば簡単だけど、それだけでは片付けられない内容」と嘆いた。六回無死一、二塁では主軸が沈黙。得点はソロ2発のみ。拙守もあり、タイムリー欠乏症も深刻になってきた。

 ブルージェイズなど大リーグ関係者も視察した中、4敗目を喫した前田。停滞するチームを救うには、絶対エースの巻き返しが必要だ。

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