丸が炎の逆転打!野村監督退場に燃えた

 「ヤクルト4‐7広島」(22日、神宮)

 指揮官の退場に鯉戦士が燃えた。六回1死一塁で堂林の三ゴロを川端が二塁へ送球。封殺プレーは際どいタイミングでアウトと判定された。これに広島の野村謙二郎監督(47)が猛抗議。遅延行為で退場処分となったが、ここから怒とうの3連打で一気に逆転した。野村監督の退場は、選手時代を含め通算5度目となった。

 1点を追う六回だった。1死一塁で堂林の放った打球は、高いバウンドのゴロ。これを川端が二塁へ送球し、際どいタイミングだったが、判定はアウト。その瞬間だった。

 三塁ベンチから野村監督が猛然と飛び出した。二塁塁審の杉永の元に詰め寄ると、帽子をグラウンドにたたきつけた。身ぶり手ぶりで「セーフだ」と主張。判定は覆らない。それでも矛を収めることはしなかった。

 遅延行為により退場処分が下された。悔しさをかみ殺し、ベンチに引き下がる際、打席に入る菊池に「行けよ」と声を掛けた。指揮官が残した最後の言葉。鯉戦士が燃えないはずがなかった。

 2死一塁で試合が再開した。「絶対勝ってやる」。強い気持ちで打席に入った菊池が左前打を放ち、一、二塁。そして丸が続いた。鋭く振り抜いた打球は右中間を突破。走者一掃の適時三塁打となり、逆転に成功した。

 まだ終わらない。エルドレッドが放った打球は一塁へのボテボテのゴロ。しかし一塁・畠山のタッチをかいくぐり、ヘッドスライディングで内野安打をもぎ取った。この一打で1点追加。野村監督の退場直後からの怒とうの3連打だった。

 決勝打の丸は興奮を抑えながら話した。「気持ちで打てた。気持ちが結果になってよかった」。エルドレッドも「監督が勝利への気持ちを見せてくれたので選手として取り返そうと思った」と胸を張った。

 試合終了の瞬間、野村監督はロッカー室で勝利を見届けた。広報を通じ「みんな奮起してくれてよかった。自分はセーフだと思って抗議した。今日は野手が、菊池、丸、エルドレッドが気持ちを出してくれた。投手もそう」とコメント。4点差を大逆転し、チーム一丸でつかんだ“1勝”。23年ぶりの優勝へ、結束は固まった。

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