キラ、スランプ脱出へ野村監督投げた!

 首位の広島は15日から本拠地で2位・阪神との首位攻防3連戦に臨む。14日はマツダスタジアムで指名練習を行い、キラ・カアイフエ内野手(30)らが参加した。キラは野村謙二郎監督(47)とマンツーマンで打撃練習。打率・182、3本塁打8打点と不振にあえぐ主砲が気持ちを新たにして虎退治に挑む。

 青空の下に乾いた打球音が響いた。キラが、額に汗をにじませた野村監督の球を打ち返す。指揮官の期待にも応えようと黙々とバットを振った。

 約50分間、マンツーマンでの打撃練習だ。20分間、打ち続けケージ裏へ移動。5分間、野村監督から打撃指導や助言を受け再びフリー打撃に取り組んだ。

 指揮官が指名練習参加を呼びかけた。開幕から13試合で打率・182、3本塁打8打点。本塁打は5日のDeNA戦(マツダ)での3号ソロが最後。12日の中日戦(マツダ)では今季初めてスタメン落ちした。「(調子が良くないと)自分で分かっている。そこが一番大事」と野村監督。主砲自身が復調へのきっかけを模索していた。

 不振の要因はボール球に手が出てしまうことだ。キラは選球眼がいい。しかし「全部(の球種)を追いかけている」と野村監督。巨人3連戦(8~10日・東京ドーム)で6三振を喫するなど、最近5試合は14打数2安打。「どう狙い球を絞っていくのか、意見交換した」と振り返った。

 精神面のケアも行われた。キラとは対照的にエルドレッドが好調を維持している。「余計打たなければいけないと思っている。焦らないでいい。自分の打撃をしなさいと言った」。勝利のために必要不可欠な選手だけに心から復調を願った。

 昨季もシーズン中、指揮官との特打でよみがえった。9月9日の神宮室内。1人休日返上で打撃練習を行った。その後の5試合で3本塁打を放った。

 15日からは阪神との首位攻防3連戦。初戦の先発は、昨季CSファーストS第1戦で決勝3ランを放った藤浪だ。相性はいい。

 練習後、キラは報道陣の質問に答えず球場を後にした。静かに闘志を燃やす。首位堅守に向けて自慢のパワーを爆発させる。

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