丸サイクル惜~先頭弾!激走三塁打!

 「広島7‐4ヤクルト」(1日、マツダ)

 鯉打線が爆発し、本拠地開幕戦を白星で飾った。立役者は丸佳浩外野手(24)。自身通算2本目の初回先頭打者弾を皮切りに、三塁打、単打と積み重ね、惜しくもサイクル安打とはならなかったが、広島の1番打者としてチームを引っ張った。順位は巨人と並んで首位をキープ。この勢いで一気に開幕ダッシュじゃ!

 相手の出ばなをくじく一撃だ。一回、新人右腕・秋吉が投じた外角へのスライダーを、丸は素直に逆方向へ打ち返した。快音を残した打球は、鯉党の大歓声に後押しされ、左中間席に飛び込んだ。

 先制の今季1号ソロは、昨年8月9日の巨人戦(マツダ)以来、通算2本目の初回先頭打者本塁打。電光掲示板上方にある球団旗はほとんど揺れていなかったが「風ですよ。僕の力ではない。たまたま」と真顔で言い切った。

 その本塁打よりも納得した打撃だったのが、五回の三塁打だ。直球をはじき返すと、低弾道でセンター方向に伸び、フェンスに直撃。「(本塁打は)もっと低い(打球を)イメージしていたのに、結果がああなっただけ。三塁打の方が手応えはあった。強引になりすぎず、打つべき球をしっかりスイングできた」と自画自賛した。

 勝利への気迫も見せた。2点リードの六回2死満塁で、ボテボテの二塁へのゴロ。際どいタイミングだったが、ヘッドスライディングで内野安打とし、1点を追加した。

 あと二塁打が出ればサイクル安打達成だった。しかし八回の最後の打席は二邪飛。「無理。周りの人たちに言われて知っていたけど」と笑い飛ばした。

 開幕から4試合連続安打と打撃は好調だ。春季キャンプから新井打撃コーチとフォームを確認。オープン戦中に安打を重ねても「来た球に対して狙った方向に打てていない」と妥協をせずにスイングをチェック。「左肩がかぶさるのが原因だった。それをオープン戦の最後の方で直せた」。高い自己修正力で開幕にきっちり合わせてきた。

 チームも首位タイと好スタートを切った。「いい循環がチームの中である。今日だけで終わらせないようにしたい」。丸が見つめる目線は、はるかに高い位置にある。

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