野村に“10勝の壁”8度目挑戦も…

 「DeNA5-4広島」(6日、横浜)

 “8度目”でも越えることはできなかった。昨季は7度、はね返された10勝の壁。今季、初挑戦でも、広島・野村の前に高くそびえ立った。7回6安打5失点で5敗目を喫した。

 失投となった初球が命取りになった。1‐0で迎えた五回2死二、三塁では、石川へ投じたカーブだ。真ん中へ甘くなったところをすくい上げられ、逆転の中前2点適時打を浴びた。

 さらに1‐2の七回1死一、三塁では代打の後藤だ。再びど真ん中へのスライダーを左翼席へ運ばれる3ランを浴びた。山内投手コーチは「初球の入りでやられた」と振り返った。

 新人の昨季は8月22日のDeNA戦(マツダ)で9勝目を挙げたあと、7度、10勝にトライした。しかし、5つの黒星を喫するなど9勝でシーズンを終えた。4連勝で迎えた試合前には「(10勝への)意識はない。それよりもチームの勝ち。それが大事」と、2桁勝利を気にとめるそぶりはなかったのだが…。

 2年目の今季も初挑戦で壁は越えられなかった。それでも悲観することはない。「石川と後藤のあの2球だけだった。それ以外はすばらしい投球だった」と野村監督。疲労が蓄積し、本来の投球ができなかった昨季の後半戦とは異なり今季、状態は下降線をたどっていない。

 「また次頑張ります」と足早にバスへ乗り込んだ背番号19。この悔しさを力に、次回登板で壁を乗り越えてみせる。

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