プリンス堂林2打点!鯉3連勝3位浮上

 「DeNA1-5広島」(10日、横浜)

 広島の堂林翔太内野手(21)が2安打2打点の活躍で、チームを今季初の3連勝に導いた。チームは阪神と並んで3位に浮上した。広島は昨季、DeNAに16勝6敗2分けと10の貯金をつくった。その“お得意さま”を11日も倒して、一気に上昇だ。

 二塁塁上で、堂林が力強くこぶしを突き上げた。チームを勝利に導く2点二塁打。左翼席を埋め尽くした鯉党は、大きな声援と拍手で、ヒーローをたたえた。

 2‐1で迎えた七回1死満塁。力投するバリントンを援護したい。その一心で打席に立った。井納の初球、外角寄りの150キロの直球を逆らわずにスイング。打球はあっという間に右中間を突破した。

 「前回の試合(4日のヤクルト戦)でバリントンが踏ん張って投げてくれた。きょうはちょっとでも楽な気持ちで投げてほしかった」。リードを3点に広げる貴重な2点二塁打。六回まで1失点と奮闘していた助っ人右腕を勇気づけたのは間違いない。

 六回1死二塁では意表をついてセーフティーバント。初球をきっちりと三塁前に転がし1死一、三塁と好機を拡大した。「あれはサイン。いい形で後ろにつなぐことができた」。続く安部が同点の右前適時打を放ち、石原は勝ち越しとなる左前適時打を放った。野村監督は「あれが大きかった?そうですね」と、目尻を下げた。

 好調の要因はフォームの修正だ。キャンプから開幕まで、構えたときのグリップを耳の周辺から肩の位置まで下げていた。しかし「バットが下から出るような感じだった」と、思うようにスイングできなかった。

 8日の練習日でそれを修正。昨年と同様に耳の位置まで戻した。9日の試合で即結果を出し2安打2打点。「トップの位置もしっくりきている。これを続けていく」と手応えをつかんだ。

 これで3試合連続打点。複数安打も2試合連続となった。「乗っていけるかは自分次第。1試合1試合気持ちを切り替えてやっていく」と気を引き締めた。

 もう迷いは消えた。力強く突き上げたこぶしが、その気持ちを表していた。

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