堂林見返す!4タコ&失策でヤジられた

 「オープン戦、広島3-0ヤクルト」(7日、マツダ)

 広島・堂林翔太内野手(22)が7日、先発出場したヤクルト戦(マツダ)で4打数無安打、1失策と精彩を欠き、ファンから痛烈なヤジを浴びた。試合後は野村謙二郎監督(46)から「『やかましい』と言い返すくらいの気持ちでやれ」と、“武闘派”の心得を説かれた。昨季の失策&三振王は今季、結果でヤジを封印し、見返すことを誓った。

 観衆が6942人と少ない本拠地マツダに、何度も厳しいヤジが響き渡った。標的はプリンス・堂林。象徴的だったのは七回無死一塁だ。スタンドから「バントをしろ!」と痛烈な声が飛んだ。本人は「気にはしていなかった」と振り返ったが、遊ゴロ併殺と最悪な結果に終わった。

 5日のソフトバンク戦で3打席連続三振、1失策。この試合も二回の第1打席で空振り三振、四回の第2打席でも二飛に倒れ、守備でも三回に三ゴロ失策を記録した。ヤジに負けたわけではないが、精彩を欠いた。

 試合後、そんな堂林を野村監督はベンチに呼び寄せた。現役時代、自身が観客のヤジに対し、本気で言い合いをした経験談なども含め、愛弟子に“武闘派のススメ”を説いた。

 「お客さんに向かって『やかましい!』と言い返すくらいの気持ちでやれ。ヤジられても打って返すしかない。持ち味は打撃だから、いい打撃を見せつけて、期待感を持たれるように、『やっぱり打った』と思われるようにやって欲しい」

 成長を願えばこそ、指揮官は熱い言葉をかけた。「負けないように。そういうことにも勝っていく選手になって欲しい」と、ヤジを乗り越えるたくましさを堂林に求めた。

 両リーグ最多の150三振&29失策を記録した昨季も人一倍、ヤジを浴びた。「自分が調子がいい時は聞こえないんですよね。悪い時はよく聞こえる」。指揮官の教えには「(ヤジは)気にしてないけど、監督にはそう見えたから、言っていただいたのかも」と感謝した。ファンと言い合うつもりはないが「これからも、ずっとそういうのは付いてくる。気持ちをうまく自分の中に閉まって、コントロールしていかないと」と、結果で見返すことを心に誓った。

 マツダでのオープン戦2試合は無安打だが、2月23日の沖縄からナゴヤ遠征の6試合では全試合で安打を放つなど状態は悪くない。この日も第4打席ではセンターへ大飛球を放った。「もう少し」と、手応えはつかんでいる。「シーズンに入ってから、どういうふうに言われるか。良ければ良いふうにしか言われないはずですから」。必ずバットでヤジを封印してみせる。

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