阪神OB中田氏が絶賛した「年に一度」のしびれる竜虎投手戦 2人の“ひろと”が演じた「あっぱれ」な9イニング

 「阪神0-1中日」(13日、甲子園球場)

 阪神は0-0の延長十一回に3番手・木下投手が1死一、二塁から中日の細川選手に左翼線に適時二塁打を浴び先制点を許した。この1点が決勝点となり、今季最長の5連敗を喫した。2位巨人が敗れたためゲーム差は変わらず、優勝マジックは一つ減り「16」となったが、チームにとって痛い敗戦となった。

 3時間46分の死闘に敗れ、阪神ファンは肩を落としているだろうが、0-1の緊迫したゲームを作り出したのは両軍の先発投手だ。阪神・才木投手と中日・高橋宏投手の息をのむ投手戦。両投手の投げ合いを、阪神OBでデイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「1年に一度あるかどうかの素晴らしい投手戦だった」と絶賛した。

 才木投手が力強いストレートで序盤をねじ伏せれば、高橋投手も三回まで完全投球。互いに150キロを超える直球と切れ味鋭いフォークボールを武器に投球を組み立てる同タイプの投手だ。この試合における両者の好投の要因を中田氏は「どちらもフォークがベース板の上でしっかり落ちている。だから、打者はどうしても手を出してしまう」と解説。強力打線を誇る阪神打線をもってしても「きょうの高橋宏投手を攻略するのは難しかっただろうね」と中田氏は話した。

 さらに高橋宏投手のつけいる隙がなかった理由について、中田氏は「いつもより真っすぐが多かった」と説明。これまではフォークを頼りがちだった投球から、この日は力強いストレートを阪神打線に投げ込んだ。これによって、よりフォークが効いたのだという。9回までに12三振を奪い、被安打4のうち、まともに捉えられた安打は才木投手と中野選手の2本のみ。森下選手、佐藤輝選手、大山選手のクリーンアップから三振を6つ奪ってみせた。

 九回1死二、三塁の場面でも、大山選手にカットボールを連投して空振り三振に斬った。2死満塁で坂本選手に投じた142球目は156キロのストレート。140球を超えても力強い真っすぐを投げ込み9回まで「0」を並べた竜のエースは敵ながら「あっぱれ」だ。

 連敗を止められず、虎党には悔しさが募るだろうが、中田氏が絶賛した27歳の才木浩人投手と24歳の高橋宏斗投手。2人の“ひろと”が演じた9イニングのしびれる投手戦を見られたことは、野球ファンにとって、この上ない喜びと言っても過言ではないだろう。

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