イチロー氏「全部『喝』でお願いします」張本勲さんとのメディアを通じたやり取り 通算3085安打「リスペクト。日本で3千本以上は本当に大変」
プロ野球の東映(現日本ハム)、巨人、ロッテで活躍して歴代最多の通算3085安打を放ち「安打製造機」の異名を取り、引退後は解説者として活躍し「球界のご意見番」としても人気を集めた張本勲さんが9日、東京都の病院で死去した。日本プロ野球名球会が10日、発表した。86歳。広島市出身。1カ月前にはテレビ出演で元気な姿を見せていたが、急な旅立ちとなった。偉大な野球人に球界内外から悼む声が寄せられた。
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プロ野球歴代最多安打の張本勲さんが9日死去した。「安打製造機」と呼ばれた張本さんの数字を上回っているのが日米通算4367安打のイチロー氏だ。大リーグで3089安打を打ちながら「どれだけヒットを重ねても、それが簡単になることはない」と最後まで口にしていた。張本さんは大リーグに比べ年間試合数の少ないプロ野球で3085安打を放った。「その事実をリスペクトしている。日本で3千本以上は本当に大変」との言葉は偽りのない本音だろう。
現役時代の終盤に「僕がやることは全部『喝』でお願いします」と知人を介して伝えていた。「喝」は「あっぱれ」とともに張本さんがご意見番を務めた「サンデーモーニング」での決めぜりふ。「もっと頑張れ」「そんなことでは駄目」との叱咤(しった)激励を「喝」に込め、アスリートたちの健闘は「あっぱれ」でたたえていた。
自身の申し出について「『あっぱれ』なんて全然面白くない。何があっても全部『喝』でいい。張本さんなら『喝』の理由全部が大喜利になる」と説明した。時代錯誤的と批判されることもあった張本さんの言動を、イチロー氏は誰にもまねできないショーマンシップだと尊重していた。
「若い頃にかなり苦労をされたと聞いている。でも実際に会ってみれば人のいいおじさん」。広島での被爆体験など、苦難を乗り越えてのプロ野球最多安打に敬意を示しつつ“人のいいおじさん”と挑発的表現を織り交ぜたのは、より多くの「喝」を引き出そうとするイチロー氏ならではの作戦でもあったのだろう。
2人にプライベートでの交流がほとんどなかっただけに、メディアなどを通じてのお互いのやりとりがファンを楽しませた側面はある。超一流打者同士、お互いの技術を認め合っていたからこそ成立し得た不思議な関係でもあった。
