張本勲さん死去 素顔は律義な性格 盟友のために「這ってでも」と杖をついて始球式 ファンの感動を呼ぶ
プロ野球の東映(現日本ハム)、巨人、ロッテで活躍した張本勲さんが9日午後に死去したことが10日、分かった。86歳だった。日本プロ野球名球会が発表した。
現役時代はプロ野球界唯一の3000安打。引退後はTBS系「サンデーモーニング」の歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで物議を醸すことも多かったが、スポーツ界の御意見番として「喝!」や「あっぱれ!」のセリフで注目を浴びた。
21年12月に番組を卒業。公の場に姿を見せる機会は減ったが、24年5月28日にファンの注目を浴びた。「王貞治Day」として行われた巨人-ソフトバンク(東京ドーム)に来場したが、やせ細り、杖をついて体を支える姿に「あの張さんが…」と多くのファンが驚きの声を上げた。
それでも、18歳から濃い付き合いを送ってきた盟友・王貞治氏を思って「ワンちゃんのことだから這ってでも行かなくては、と無理してきたんですがね」と、杖で体を支えながら渾身(こんしん)の一球。感動を集め、ファンから大歓声を浴びた。
数々の発言で誤解を招いたものの、律義な性格で仲間思い。王氏との思い出を問われると、「一緒に夜遅くまでバットを振ったし、世界記録を見た時はたまたまあの人が3番で、俺が4番で。後ろで見てて、行く度に早く出してくれって。ポンッ打ったから飛び上がりましたよ。ライバルでもあるし、友達でもあるから嬉しかったね」と目尻を下げた。
始球式を終えて、「感無量だね。ああいうグラウンドでやってたんだね、何十年前は。思い出しましたよ」と語っていた張本さん。以降も精力的に活動し、今年8月にはサントリードリームマッチに出場し、代打で大歓声を浴びていた。そこから約1カ月での訃報。記録にも記憶にも残る、偉大な野球人だった。
