新人を除き、実働1年目でタイトルを取った初の選手は?【プロ野球記録企画】
デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)。今回は新人を除き、実働1年目で新人王を獲得した選手を取り上げる。
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山口哲治は77年度ドラフト2位で、智弁学園から近鉄に入団した。1年目の78年は、1軍公式戦登板ならず。当時の本拠地藤井寺での全体練習の後も、ポール間のランニングやノックなど徹底的に自分を鍛え抜いた。
その成果が2年目の79年に花開いた。4月18日の日本ハム戦(日生)でのプロ初登板で救援に立ち、3回を3安打無失点にまとめ信頼を勝ち取る。ここから先発にリリーフにと投げ続け、シーズン36試合で7勝7敗4セーブ。防御率2・49で最優秀防御率のタイトルを獲得した。当時のパ・リーグは藤井寺や日生のみならず、狭い球場が大半。投手不利の状況でこの数字は特筆に値する。初めて1軍公式戦に出場した年のタイトル獲得は、新人を除けば初の快挙だった。
当時のパ・リーグは前期と後期の2シーズン制を採用していた。前期優勝を果たした近鉄は、後期覇者の阪急とプレーオフで対戦し、3連勝で初のパ・リーグ優勝を決めた。山口は3連投で1勝2セーブ、無失点。プレーオフMVPに選ばれた。
日本シリーズで近鉄は、広島と対戦。第7戦で山口は八回から登板し、見事0点に抑えた。この好投のおかげで、近鉄は3-4と最少得点差の1点ビハインドのまま九回裏の攻撃に入れた。「江夏の21球」で知られる名場面は、20歳の若者の右腕によってその舞台が整ったのだった。(デイリースポーツ・高野 勲)
答え 山口哲治(近鉄)
