健大高崎・石田雄星 右手有鉤骨骨折から完全復活の2ラン 過酷な闘病生活の妹・惺来さんが「野球をやる理由をくれた」

 「全国高校野球選手権・決勝、智弁和歌山4-3健大高崎」(22日、甲子園球場)

 ここぞの場面で頼もしい姿だった。優勝に届かず悔し涙を流したが、最後まで「かっこいい兄」の背中を見せた。健大高崎(群馬)が1点を追う八回1死二塁。石田雄星外野手(3年)は緩いカーブを捉えて右翼席へ一時逆転となる2ランを放り込んだ。地鳴りのような歓声が響く中、石田雄は右手を高く上げて指さし、アルプス席とベンチの熱狂に呼応した。

 スタンドから見守る家族に雄姿を届けた。石田雄が小学6年時に妹・惺来(さら)さんは4歳で急性リンパ性白血病を患った。「その当時、自分は練習がキツくて野球を辞めたいとずっと思っていたけど、野球をやる理由をくれた」。過酷な闘病生活を送る妹の姿に背中を押され、今でも一番の原動力となっている。

 今年6月には右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。群馬大会が始まる1カ月前で絶望的な状況だった。それでも諦めずに地道にリハビリし、「左手を使うようなフォーム」に打撃改造。大舞台で完全復活を遂げ、自身4度目となる甲子園に1号を刻んだ。

 今大会前は「妹のためにかっこいい兄でいられるように頑張ります」と宣言。最後もベンチ前に真っ先に整列し、主将らしくあり続けた。そして夏では健大高崎史上最高成績となる準優勝もつかんだ。「歴史をつくることもできたし、最高の仲間と出会えて、18年間生きてきた中で一番最高の夏休みだったんじゃないかな」。大黒柱はくしゃっと笑った。

 ◇石田 雄星(いしだ・ゆうせい)2008年12月16日生まれ。171センチ、76キロ。右投げ左打ち。栃木県出身。小学1年時から軟式の佐野城北クラブに所属し、4、5年時は県大会で優勝。中学時代は小山ボーイズでプレー。高校では1年夏、2年春夏、3年夏と4度の甲子園を経験。高校通算20本塁打。

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