「失敗を恐れずに笑顔で」無念左手骨折のライバルの伝令に応えた有明・斉藤、九回2死満塁、絶体絶命危機で魂の投球 延長サヨナラ負けも「やりきった」

 「全国高校野球選手権・準々決勝、健大高崎1-0有明」(18日、甲子園球場)

 春夏通じて初出場の有明が延長タイブレークの激闘の末にサヨナラ負けで8強敗退となった。初出場校では06年の鹿児島工以来となる20年ぶりの4強入り、04年千葉経大付以来22年ぶりの1大会4勝はならなかった。

 3回戦のアップ中にダブルエースの1人、工がアクシデントで左手を骨折。この日も背番号1の斉藤がマウンドに上がり、熱投。タイブレークの延長10回に力尽きたが、9回1/3を129球7安打1失点の快投だった。試合後は「悔しい」と吐露しつつ「やりきったというか、悔いのないピッチングができたのでよかった。初出場でここまで来れて、とても楽しくて、ずっと笑顔でプレーできたので良かったです」と振り返った。

 九回にヒットと自身のエラーで1死一、二塁のピンチを招き、工が伝令でマウンドへ。その後、2死満塁となった時にも再び工がマウンドへ伝令にきた。「落ち着いて、笑顔でプレーしようと伝えられました」。その後、斉藤が力を振り絞り、内角への直球で見逃し三振を奪った。工も「失敗を恐れずに笑顔で楽しんでいこうと言いました。自分で考えた言葉」と明かし、三振のシーンに「(斉藤は)自分の中でライバルでもありますし、目標。嬉しかったし、ありがたかった。斉藤がいたんでここまで来れた」とうなずいた。

 有明は1回戦で立命館宇治を6-3で下し、聖地初勝利をあげると、2回戦は長崎日大を3-2で撃破。3回戦は同じく初出場だった東日大昌平を4-1で下し、8強入りを果たした。3試合すべて逆転勝ちと勝負強さをみせていた。8月に地震に見舞われた故郷・熊本に勇気を与える快進撃。試合後、甲子園には温かい拍手が降り注いだ。

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