鳴門渦潮 現校名で夏初勝利 山本が延長十回サヨナラ打 エース西村5安打完投 森監督「我慢強く投げてくれた」
「全国高校野球選手権・1回戦、鳴門渦潮2-1八王子実践」(9日、甲子園球場)
小さなヒーローが、鳴門渦潮(徳島)を現校名での初勝利へと導いた。九回に追い付かれ、今大会初の延長タイブレークに突入。十回2死二、三塁で打席に立ったのは、身長160センチの山本飛佑雅内野手(2年)だった。「絶対に打ってやる!」。外角高めの真っすぐを、左前へはじき返した。値千金のサヨナラ打。夕暮れの甲子園は、大歓声に包まれた。
兵庫県の淡路島の実家を離れて寮生活を送る。「最初は寂しかった。でも家族が応援してくれているから」。あどけない表情、素直な態度。大仕事を成し遂げたヒーローは、大勢の報道陣に囲まれると見えなくなるほど小さい。毎日、居残りで守備と苦手の打撃を特訓する。それに付き合ってくれる仲間がいる。
「ボールボーイをしていた同級生の手嶋君が、ノックをしてくれるおかげで守備が得意になった。打撃は得意ではないので練習後に2ケース、150球を打つようにしている。練習の成果が最後に出た」
徳島大会から全試合に先発している身長179センチのエース西村大輝投手(3年)は5安打完投。指名打者を使わない采配で初戦突破した森恭仁監督(59)は「我慢強く投げてくれた」と褒めた。西村は「僕は西岡(捕手)を信じて投げただけ。打たれたくない気持ちはあった」と話した。2012年に鳴門一と鳴門工が統合し、現校名となったが、鳴門工時代の08年以来18年ぶりの甲子園勝利。小さなヒーロー、大きなエースとともに、鳴門の夏はまだ続く。
