中京大中京3年・安藤歩叶 まだ道の途中「もっとタフになって」夏に夢叶える

 「選抜高校野球・準決勝、智弁学園2-1中京大中京」(29日、甲子園球場)

 険しい道のりで、歩くことがあったとしても、諦めることなく夢を叶えて欲しい-。中京大中京(愛知)のエース安藤歩叶投手(3年)の名には、そんな願いが込められている。敗戦後、大勢の報道陣に囲まれた彼は、目を赤く腫らしながらも涙を流すことはなかった。まだ、道の途中にいるから。

 準決勝の前夜、宿舎で高橋源一郎監督(46)は選手を集めて尋ねた。「明日の先発は誰がいいと思う?」。ほぼ全員が「安藤」と答えたという。「うれしい気持ちと、やらなきゃいけないという自覚を感じました。自分も先発でいきたかった」。被安打3、失点0で5回を投げ終えると、再び監督から聞かれた。

 「まだ行けるか?」

 仲間からの厚い信頼を受けているからこそ、安藤も仲間を信じた。

 「投げたい気持ちはありました。でも太田も調子がいいので、ここは託した方がいいと感じました。真っすぐが浮いてきたので、中途半端な投球では勝てないから」

 マウンドを譲ってからは2番手の太田匠哉投手(3年)に声をかけ続けた。チームはミスを得点に結びつけられ六回に同点、そして八回に勝ち越された。課題は明白になった。

 「僕は球数が80を超えるとスライダーが抜けてしまう。もっとタフになって『自分が投げます』というくらいにならないといけなかったです」

 まだ道は続いている。夏に、夢が叶う日まで。

 ◆安藤歩叶(あんどう・あると)2008年5月15日生まれ、17歳。岐阜県瑞穂市出身。180センチ、78キロ。右投げ右打ち、投手。兄の影響で野球を始め、揖斐本巣ボーイズでは投手兼外野手。中京大中京では昨年の秋季大会から背番号1を付ける。球種はスライダーとスプリット、カーブ。好きは選手はヤクルトの山田哲人内野手。

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