三重・古川稟久投手「僕らの代で因縁を晴らす気持ちだった」また1点差…夏こそ倒す大阪桐蔭
「選抜高校野球・2回戦、大阪桐蔭6-5三重」(26日、甲子園球場)
三重・古川稟久投手(3年)は声を震わせて言葉を紡いだ。「僕らの代で因縁を晴らす気持ちだった。悔いが残ります」。2014年夏の決勝、2018年春の準決勝でいずれも1点差で敗れていた大阪桐蔭に、また1点届かず。決勝点を許した右腕の目から悔し涙がこぼれた。
タイブレークの延長十回無死一、二塁から暴投を犯して無死二、三塁。中犠飛で勝ち越しを許した。終盤は直球、スライダーに頼るしかない配球となり「もう一つ変化球があれば」と唇をかんだ。
それでも、画面越しに見つめた憧れの存在には少し近づけた。野球を始めたのは関西で人気のバラエティー番組「探偵ナイトスクープ」を見たことがきっかけ。素人のおじさんが魔球をプロに教える回で広島時代の前田健太(現楽天)が出演していた。前田が投じる変化球を目に焼き付けた古川。「ボールってこんなに曲がるんやと。ボールを自由に扱ってみたい」と目を輝かせ、白球を握り始めた。
大阪桐蔭打線を相手に3回無安打1失点。奪った5つの三振中、4つは変化球で空振り三振に切り“マエケン”のように変化球で打者を制圧するシーンもあった。直球は自己最速を3キロ更新する149キロを記録し、甲子園で大器の片りんをのぞかせた背番号「10」。「もう一度夏に出て大阪桐蔭を倒したい」。最後の夏は聖地で笑ってみせる。
◆古川 稟久(ふるかわ・りく)2008年8月31日生まれ、17歳。三重県四日市市出身。183センチ、78キロ。右投げ右打ち、投手。小学2年から日永フェニックスで野球を始め、四日市南中時代は桑員ボーイズでプレー。三重で1年夏からベンチ入り。50メートル走7秒3、遠投110メートル。





