松井秀喜氏「私の野球人生は美しく彩られた」長嶋茂雄さんお別れ会 運命のドラフトと同じ11・21弔辞
6月3日に89歳で死去した「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんのお別れの会が21日、東京ドームで開催された。午前の関係者の部には野球界をはじめ政財界などから約2800人が参列。元巨人でまな弟子の松井秀喜氏(51)、“ONコンビ”として活躍した王貞治氏(85)らがお別れの言葉を述べ、ドジャースの大谷翔平投手(31)やマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(52)からはビデオメッセージが寄せられた。誰でも参列できる午後の一般の部には約2万2800人が来場。関係者の部を2階席で観覧した約6800人を含めて、計3万2400人が長嶋さんをしのんだ。
「太陽」をイメージして飾られた3万3333本の花々。その中心に陽だまりのような優しい笑みをたたえた長嶋さんの写真が飾られた祭壇。松井氏も時折笑みを浮かべて「今日は監督が最も愛した場所、東京ドームです。ここにいると、また監督に会えたような気がしてうれしいです」と柔らかく語りかけた。
現役時代から数々のドラマを生み出した長嶋さん。この日も、偶然では片付けられない奇跡を松井氏は感じ取っていた。
長嶋さんが背番号「33」で巨人監督復帰が決まった92年オフ。直後の11月21日のドラフト会議で1位競合の松井氏のくじを引き当てた。あれから、ちょうど33年。祭壇は長嶋さんが指定し、松井氏の現役時代の定位置であったセンターの守備位置に設けられていた。
「そんないくつかの偶然さえも、自然の運命なのではないかと感じるほど、監督とのご縁はかけがえのないものであり、私の野球人生に多大な影響を与えてくれました。」と、その“気配”を近くに感じながら、恩師との日々を振り返った。
祭壇に飾られた現役時代のユニホーム、天覧試合でのホームランバット。栄光の歩みを示す展示品だが、長嶋さんの引退年に生まれた松井氏には伝説の中の話だ。ただ、だからこそ「恐れることなく素直な心で監督に向き合い、一直線に監督の懐に飛び込んでいけたのだと思います」と絆が深まっていったと話す。
絆が深いからこそ言い出せない言葉もあった。「お伝えすると、あっという間に監督が遠くに行ってしまう気がしたから」と6月の告別式で語れなかった感謝の言葉だ。
「私をジャイアンツに導いてくださり、ありがとうございました。大きな愛情と情熱で接していただき、たくさんのことを授けてくださり、ありがとうございました。胸を張って自分の師は長嶋茂雄だと言える幸せをありがとうございました。監督によって私の野球人生は美しく彩られました。ありがとうございました」
ようやく伝えられた感謝の言葉-。永久に心で生き続ける長嶋さんとともに、この先の野球人生を歩む。思いを込めた言葉で、恩師へ別れを告げた。





