法大・松下“ドラフト候補対決”早大・伊藤撃ち「すごく自信に」現役選手最多12号 阪神スカウト熱視線
「東京六大学野球、法大5-4早大」(4日、神宮球場)
1回戦2試合が行われ、法大が早大に先勝した。主将の松下歩叶(あゆと)内野手(4年・桐蔭学園)が相手先発・伊藤樹投手(4年・仙台育英)との“ドラフト候補対決”を制し、リーグ戦通算12号となる2ラン。阪神が竹内球団副本部長ら3人体制で視察するなどスカウト陣が熱視線を送る中で2安打2打点と活躍を見せた。東大は慶大を下し、1年ぶりの白星を挙げた。
鋭いスイングが雨粒を切り裂いた。白球は美しいアーチを描き、傘の揺れる左翼席へ吸い込まれる。松下は雄たけびを上げながら確信のガッツポーズ。闘志みなぎる今季2号で勝利をけん引だ。
「『怖いものはない』と伝えました。(早大は)4連覇懸かっているチーム。僕らは失うモノはないんだから、と」
大島公一監督(58)が「練習から殺気立っていた」と表現した主将は試合前、ナインに熱い言葉をかけた。燃える思いを自らのバットで体現したのは、1点リードの四回1死一塁。1ストライクから「真っすぐを張っていたんですけど、半速球にうまく反応できた」と完璧な一発をスタンド中段まで運んだ。「相手校のエースから勝とうとずっと話していたので、すごく自信になります」。現役選手最多の通算12本塁打目に納得顔だ。
四球で出塁した二回1死二塁の先制機では、暴投の間に二塁から一気に生還する好走塁も披露。「2連勝は早稲田の優勝阻止もそうですけど、僕らの優勝にもつながる。きょうの勝利は1回忘れて、明日が初戦だという気持ちでもう一度やっていきたい」。悲願の頂点へ、歩みを止めない。
◇松下 歩叶(まつした・あゆと)2003年4月14日生まれ、22歳。神奈川県南足柄市出身。181センチ、85キロ。右投げ右打ちの内野手。南足柄小1年時から狩野エンゼルスで野球を始め、6年時はベイスターズジュニアでプレー。南足柄中では静岡裾野リトルシニアに所属。桐蔭学園では1年春からベンチ入り。法大では2年秋にリーグ戦初出場。3年時から2年連続で選出された大学日本代表では主将を務め、7月の日米大学選手権でMVPを獲得。50メートル走6秒2、遠投110メートル。




