日本ハム スイープ返し鷹3連戦3連勝 近藤3度申告敬遠の新庄監督「いいバッターなので」 ゲーム差0・5に
「日本ハム1-0ソフトバンク」(24日、エスコンフィールド)
執念の“スイープ返し”だ。日本ハムは0-0で迎えた延長十回、奈良間大己内野手(25)のサヨナラ打で首位・ソフトバンクに3連戦3連勝を飾り、0・5ゲーム差に肉薄した。新庄剛志監督(53)は3番・近藤に対して申告敬遠3度の執念采配。これにエース・伊藤大海投手(27)ら投手陣が応え、9日から敵地でソフトバンクに喫した3連戦3連敗の借りを見事に返した。
会心のリベンジに、新庄監督の目尻も下がった。粘って粘って最後はサヨナラの劇勝。「前回の3連敗の借りをきっちりエスコンで、選手たちが返してくれましたね。感謝しかないです」。敵地で3タテを食らい、最大4ゲーム差に開いた苦境から2週間。直接対決で見事な“スイープ返し”をお見舞いし、一気に0・5差に詰め寄った。
伊藤とモイネロ、両エースの息詰まる投手戦。執念の采配が白星を手繰り寄せた。相手打線で最も厄介な近藤を、何と3度も申告敬遠。三、八、十回といずれも2死二塁の場面で徹底的にリスクを避けた。
「山川くんにおいしいチャンスを与えただけです」。そううそぶいて笑いを誘った指揮官だが「いいバッターなので。前回もああいうケースで打たれていたし、これは作戦なんでね」とキッパリ。10日の対戦では、伊藤が近藤に浴びた先制適時二塁打の1点で敗れただけに、同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかなかった。
伊藤もしっかり応えた。白星はつかずも9回を11奪三振無失点。山川の2度を含め、5度のピンチを全て切り抜けた。八回1死では右手の中指がつったが、治療後に続投し、129球の熱投を見せた。「今日の試合の大事さはわかっていた」とうなずき、敬遠策にも「悔しさはもちろんある。ただ、最終的にチームが勝つことが今は大きい」と納得。「自分の勝ち以上に、本当にうれしい1勝」と顔ほころばせた。
この日は守護神・柳川が疲労を考慮されて出場選手登録を抹消。先を見据えた中、落とせない一戦でブルペン陣も助ける投球を見せたエースに、新庄監督は「3勝ぐらいの評価はしたい」と絶賛した。価値ある白星で就任4年目の勝率が5割となったが「全く興味ない」と気に留めず。「去年まぐれって言われて、まぐれじゃなかったことを今、証明しているんで。あとはゴールに向かってみんなで楽しく。緊張するところは目いっぱい緊張して」。9年ぶり優勝への道が、またハッキリと広がってきた。





