甲子園出場辞退の広陵 中井監督が交代 野球部に関わらずも学校職員まま 後任は松本健吾コーチ、部長も交代
部内暴力に関する情報が交流サイト(SNS)で拡散して全国高校野球選手権大会の出場を途中で辞退した広陵高は21日、硬式野球部の中井哲之監督(63)と中井惇一部長(30)が同日付で交代すると発表した。後任監督はコーチの松本健吾氏(34)、部長はバスケットボール部の顧問だった滝口貴夫氏(64)が務める。
出場辞退を発表した際、学校側は野球部の体制について抜本的に見直す意向を示し、中井氏は学校側の調査が終わるまで指導から外れるとしていた。同氏は春夏通算で甲子園大会に25回出場し、春優勝2回、夏準優勝2回の実績を誇り、多数のプロ野球選手を育てた。監督交代後も学校職員として残るが、野球部には関わらないという。
野球部を巡っては今年1月に上級生が寮で頬をたたくなどの暴力があり、3月に日本高野連から厳重注意処分を受けた。従来の基準に則って発表はされなかったが、全国選手権大会前にSNSで暴力の内容や学校側の対応に批判の声が集まり、2回戦を前に辞退した。
また、元部員が別の事案についても訴えており、第三者委員会で調査を進めている。学校側は「野球部の体質や過去の暴力問題も指摘を受けている」とし、外部の学識経験者らによる「学校改善検討委員会」を設置する方針だ。
また、学校側は30日に初戦を迎える秋季広島大会地区予選への出場も明らかにした。1、2年生の全野球部員にアンケートを実施して暴力やいじめの問題がないことを確認し、広島県高野連に報告して出場を認められた。来春の選抜大会出場には秋季大会での好成績が条件となっており、新たな指導体制の下で甲子園を目指すことになる。





