沖縄尚学 夏初の決勝進出 末吉6回途中降板も打線奮起 V打の比嘉「沖縄に優勝旗を」

 「全国高校野球選手権・準決勝、沖縄尚学5-4山梨学院」(21日、甲子園球場)

 準決勝2試合が行われ、日大三(西東京)と沖縄尚学が23日の決勝に進んだ。沖縄尚学は六回に安谷屋春空内野手(3年)の2点二塁打などで追い付き、七回に比嘉大登内野手(3年)の決勝適時打で勝ち越した。日大三は八回に同点とし、延長十回タイブレークの末に勝利した。22日は休養日。決勝では1999年と2008年に春の選抜大会で優勝している沖縄尚学が勝てば夏初制覇。日大三は2011年以来14年ぶり、3度目の優勝を目指す。

 激アツの逆転劇だ。琉球の風が聖地を駆け抜けた。沖縄尚学が夏の甲子園初の決勝進出。決勝タイムリーの比嘉が気持ち良さそうに汗を拭う。「(比嘉公也監督から)ラストの高校野球。自分が輝けと言われてきた」。額ににじむ汗が燦然(さんぜん)と光っていた。

 反撃開始は1-4の六回。この回先頭の宜野座恵夢捕手(3年)と比嘉の連打で無死一、三塁とすると、安谷屋の2点二塁打などで同点に追い付いた。さらに4-4の七回2死三塁から打席は再び比嘉。スライダーに反応した飛球は右翼手のグラブをはじく勝ち越し打となった。調子が上がらず打順を3番から5番へ下げたが、ここ一番で勝負強さを発揮した。

 学年の垣根を越えた仲良しチームだ。仙台育英との3回戦翌日のこと。比嘉が、この日2番手で好救援した新垣有絃投手(2年)と酸素カプセルに入った話を、いたずらっぽく笑って思い返した。「(新垣有は)めちゃくちゃ甘えてきます。酸素カプセルは一つの部屋に2人で入って、自分が膝枕をしてあげました」。遠慮のいらない空気の良さがチームワークにつながっている。

 猛虎戦士からのエールも励みとなった。宜野座は小学校時代、阪神の沖縄キャンプ中の野球教室で梅野から指導を受けた思い出がある。今大会に出場している自分を、梅野が激励してくれたというニュースも「今日の朝、知りました。うれしかった」。テンションは上がっていた。

 高校生活集大成の大舞台。今夏は左腕エース末吉良丞投手(2年)と新垣有の2年生投手が引っ張っている。ただ、この日は末吉が六回途中で交代する劣勢の展開。比嘉が野手陣の思いを代弁する。「2年生に助けられてきた。今日は3年生で」。準々決勝までの4試合はチーム打率・211。3年生野手が意地を見せた逆転勝利だった。

 悲願まで残すは1勝だ。選抜大会で2度優勝も、夏は出場11度目で初、そして沖縄勢では2010年の興南以来の決勝。「沖縄に優勝旗を」と比嘉。深紅の大優勝旗は必ず持ち帰る。

 ◆甲子園での東京VS沖縄対決 春夏を通じて東京VS沖縄による決勝戦は、2010年春の日大三-興南が唯一のケース。この時は延長12回を戦い興南が10-5で勝っている。夏の大会では過去に東京VS沖縄の対戦は6回あり、3勝3敗となっている。

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