合言葉は「主将のために」聖隷クリストファー 左腕骨折でベンチ外の“主将”逢沢、大会主将の渋谷も「ありがとう」

 「全国高校野球選手権・2回戦、西日本短大付2-1聖隷クリストファー」(15日、甲子園球場)

 つぶやくように言った。「すごく大きいです」。すり鉢状のスタンドが取り囲むグラウンドは、一層広く見えた。土の上で力を尽くす仲間たち。聖隷クリストファーの“主将”逢沢開生外野手(3年)は、その姿をじっと見つめた。

 主戦外野手としてプレーし、何事も率先して動いてきた主将は、今春東海大会で左腕骨折を負った。今大会直前に手術が必要だと判明。メンバーから外れ、5日の開幕は病院で迎えた。静岡大会からチームの合言葉となっていたのは「逢沢のために」。三角巾で左腕をつった状態で甲子園に戻ってきた逢沢は、スタンドから声援を送り「これ以上ない、本当にうれしい言葉でした。いつまでも悔しがっていたらメンバーに対して失礼だと思って切り替えました」と仲間の思いに感謝した。

 代わりに今大会で主将を務めた渋谷海友捕手(3年)は「逢沢は背中で引っ張るタイプ」と明かす。続けて「最初はマネしようと思ったんですけど、自分は不器用。とにかく言葉で伝えようと思いました」。主将と主将。スタイルは違えど、思いは一つだった。

 もともとは主将と副将の関係。「冬にチームがまとまらないなと感じて、どうやったら一つの方向を向けるか、練習後に2人で会話を重ねました」。導いた答えは「とにかく夏の甲子園を意識すること」。悲願の舞台を目指し結束力が増したチームは、聖地初出場&初勝利という形で思いを結実させた。「ありがとう」-。スタンドで、インタビュールームで、2人の主将は試合後に同じ言葉を口にした。

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