京都国際・西村 160球完投!昨夏&昨春王者対決、健大高崎斬り 昨秋、今春の不振乗り越え「負ける気はしなかった」
「全国高校野球選手権・2回戦、京都国際6-3健大高崎」(13日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、昨夏王者の京都国際が昨春王者の健大高崎(群馬)を6-3で下し、史上初の初戦での前年度春夏優勝校対決を制した。エース左腕の西村一毅投手(3年)が9回4安打3失点で完投。健大高崎の石垣元気投手(3年)は敗れたものの、球場表示で歴代最速タイの155キロを記録し、進路についてプロ入りを目指すことを明かした。昨夏準Vの関東第一(東東京)は中越(新潟)を6-1、創成館(長崎)は神村学園(鹿児島)を1-0で下し3回戦に駒を進めた。
京都国際・西村の表情はイニングが進むにつれてみるみる明るくなっていった。球数160球にもびくともしないタフな左腕が今大会初戦最注目カードの主役となった。
「格上の相手と分かっていたので、ひるんでしまったら負けてしまう。気持ちで押しました」
初回は2四球を与えながら無失点にしのぐも、2点リードの三回は2連続死球で2死満塁を招き、暴投と左翼線への2点適時二塁打で一時逆転を許した。5回で球数100球も、昨夏胴上げ投手の本領発揮はここからだった。「7割くらいで的を狙って。ぼやけたポイントに投げようと」。伝家の宝刀のチェンジアップも駆使しながら、六回以降は1安打しか許さず球数60球。力を抜く“ギアダウン”でひょうひょうと投じ、V候補の強力打線を抑え込んだ。
昨夏王者の“十字架”を背負って戦ってきた。昨年は現国学院大の中崎と二枚看板で躍動。注目度がぐっと上がった中で頼れる先輩が去り、昨秋は府4回戦、今春は1回戦で敗退。「自分が軸にならないといけない」と大黒柱としてもがき続けた。夏前は追い込み期間の中で登板を重ねるも「ボロボロのまま投げていた」と状態は上がらず。それでも「何がだめなのかすべて見直した」と過去の栄光を振り払い、エースの責務を果たすべく底からはい上がった。
「負ける気はしなかったです」。強気の言葉からにじむ昨夏王者としてのプライド。もう一度、頂点に立つ。
◆西村 一毅(にしむら・いっき)2007年7月7日生まれ、18歳。177センチ、70キロ。滋賀県甲賀市出身。左投げ左打ち。投手。小学2年から水口少年野球団で野球を始める。水口中では近江ボーイズで外野手としてプレー。京都国際では1年秋からベンチ入り。U18日本代表候補合宿メンバー。





