健大高崎・石垣元 出た155キロ!球場表示で歴代最速タイ 意地の2回0封も敗戦 進路「プロ一本」涙なし、土持ち帰らず
「全国高校野球選手権・2回戦、京都国際6-3健大高崎」(13日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、昨夏王者の京都国際が昨春王者の健大高崎を6-3で下し、史上初の初戦での前年度春夏優勝校対決を制した。エース左腕の西村一毅投手(3年)が9回4安打3失点で完投。健大高崎の石垣元気投手(3年)は敗れたものの、球場表示で歴代最速タイの155キロを記録し、進路についてプロ入りを目指すことを明かした。
銀傘に短い夏の終焉(しゅうえん)を告げるサイレンが響いた。涙はない。「2年半やりきった。悔いはないです」。穏やかな表情で、の石垣元は現実を受け止めた。2万9000人に与えた衝撃が色あせることはない。
全国屈指の投手陣が痛打され、出番は3-6の七回。「誰でも点を取られることはある。いつでもいけるよう準備していました」。先頭の3球目に今大会初の150キロ超となる153キロでファウルを奪うと、どよめきが起こった。1死から次打者の5球目で、球場表示での大会最速タイとなる155キロを記録。甘くなったカーブを右前に運ばれたが、最後は初球152キロで投ゴロ併殺に仕留めた。八回もゼロに封じ反撃を待つ。だが、ネクストで試合終了の瞬間を迎えた。
右腕は「去年の夏がターニングポイント」と言う。1年時から切磋琢磨(せっさたくま)してきた佐藤がトミー・ジョン手術を受け離脱。背番号1を託され、メンタル面や練習態度が変わった。
佐藤も盟友の変化を感じとった。「以前は自分のプレーに集中していたけど、全体を見渡して声かけをするようになった」。昨冬に「取り返す」と話していた背番号1を今夏も譲ったことに、一切の不満はなかった。
「貫いてきた直球で押す投球は、間違ってなかったと思えた」と石垣元。進路は「プロ一本」と明言した。甲子園の土は持ち帰らない。「プロの舞台で来ることがあると思うので」。佐藤と肩を並べ、聖地にしばしの別れを告げた。(間宮 涼)
◆石垣 元気(いしがき・げんき)2007年8月16日生まれ、17歳。北海道登別市出身。180センチ、78キロ。右投げ両打ちの投手。市立西小1年時に「柏木ジュニアーズ」で野球を始め、西陵中では「洞爺湖シニア」に所属。健大高崎では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒2、遠投110メートル。





