山梨学院9年ぶり夏1勝 投打二刀流の来秋ドラフト候補・菰田圧巻!六回まで無安打投球 檜垣と2年生リレーで快勝発進

 先発し力投する菰田(撮影・山口登)
 聖光学院に勝利し笑顔を見せる山梨学院・菰田(中央)ら山梨学院ナイン(撮影・山口登)
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 「全国高校野球選手権・2回戦、山梨学院6-2聖光学院」(12日、甲子園球場)

 2回戦3試合が行われ、山梨学院が聖光学院(福島)を下し2016年以来9年ぶりの夏1勝を挙げた。投打二刀流の来秋ドラフト候補・菰田陽生投手(2年)が6回1/3を2安打1失点。六回まで無安打無得点に封じる好投を見せた。尽誠学園(香川)はエースで4番、主将も務める広瀬賢汰投手(3年)が東大阪大柏原を完封し、2002年夏以来23年ぶりの白星。岡山学芸館は松商学園(長野)を破り2年連続で初戦を突破した。

 衝撃の春から、大人びた夏へ-。“山梨の怪物”がひと味違う姿で聖地に戻ってきた。マウンド上で放つ圧倒的存在感は194センチ、100キロの体躯(たいく)のせいだけではない。投手として幅の広さを示す菰田の80球だった。

 今春センバツでは2年生投手の最速タイに並ぶ152キロを記録し3回完全投球の鮮烈デビューを飾った。だが、この日は「少しでも長いイニングを投げるために」と出力を8割ほどに抑え打たせて取る投球。最速は初回のピンチで計測した147キロだった。それでも、言葉通りに相手打線が凡打を重ねたことが、速さだけではない、球質の良さや制球力を物語る。六回まで無安打でゼロを積み重ね「無安打は意識していなくて、勝つことだけを考えました」とチームのために腕を振った。

 1点を先制直後の七回先頭に初安打を許し、1死三塁から同点打を献上したところで一塁に回ったが「ここまで投げられたことは成長。80点くらい」と自己採点。昨秋の県大会以来となる公式戦先発であることも踏まえ、納得顔を浮かべた。

 進化の一因は、山梨大会中にセットポジションからノーワインドアップに変更したこと。助言を送った吉田健人部長(28)は「体力の消耗が激しかったので。本人も『足が楽に上げられる』と言っていましたし、力感なくスムーズになっている」と利点を説明し「先発経験が少ない中、『さぁ投げろ』で投げられるのがアイツのすごさ」と大器の可能性に感嘆した。

 打撃では無安打に終わったが「まだこの舞台に立てるので、もう一つ成長した姿を見せられたら」と菰田。底知れぬ潜在能力を秘めた16歳が、夏の聖地に成長の軌跡を残す。

 ◆菰田 陽生(こもだ・はるき)2008年12月21日生まれ、16歳。千葉県御宿町出身。194センチ、100キロ。右投げ右打ち。小学1年から御宿少年野球クラブで野球を始め、御宿中時代は千葉西リトルシニアでプレー。山梨学院では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4、遠投100メートル。好きな野球選手は大谷翔平。最速152キロ、高校通算25本塁打。

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