東大阪大柏原・竹本主将 骨折疑いも心折れず 右手一本で奮起 初戦敗退「いつか、プロとして」雪辱へ
「全国高校野球選手権・2回戦、尽誠学園3-0東大阪大柏原」(12日、甲子園球場)
もう一人のお父さんの見えざる力によって、東大阪大柏原の大黒柱は傷つきながらも折れることはなかった。「4番・捕手」として甲子園出場に貢献した竹本歩夢主将(3年)。
10日、アクシデントに見舞われた。練習でのスイング中、左手首に走った鋭い痛み。診断では「左有鉤(ゆうこう)骨骨折の疑い」というものだった。
バットは振れない。捕球にも激痛が伴う。使用したのは今回、ベンチを外れた幼なじみの清水禄偉内野手(3年)のネームが刺しゅうされたミット。これは、昨年亡くなった清水の父の形見だった。
「僕のことも本当の子供のようにかわいがってくれた。不思議と痛みが消えるような感覚がありました」
打順は8番。土井監督から「振るな」と言われたが、三回の打席では「何とかなる」と右手一本でスイングを敢行。遊ゴロに終わったが、主将の姿は届けられたはずだ。五回の打席で代打を送られ、以降、ベンチからナインを鼓舞し続けた。チームを勝利に導けなかった。満足なプレーもできなかった。「いつか、プロとして」必ず甲子園に、戻ってくる。
◆竹本 歩夢(たけもと・あゆむ)2007年10月22日生まれ、17歳。大阪府寝屋川市出身。170センチ、85キロ。右投げ右打ち。捕手。小学校1年生から野球を始め、中学では大阪球道ヤング、東大阪大柏原と捕手一筋。1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒7、遠投100メートル。高校通算本塁打4本。





