聖隷クリストファー聖地1勝 2年生左腕・高部1失点完投 68歳・上村敏正監督は3元号勝利達成

 「全国高校野球選手権・1回戦、聖隷クリストファー5-1明秀学園日立」(9日、甲子園球場)

 初めての聖地のマウンで聖隷クリストファー・高部陸投手(2年)は何度も笑みを浮かべた。「素直に笑っていました。楽しんでましたね」。9回4安打1失点で堂々の完投勝利後も胸の高まりは抑えきれなかった。

 初回、先頭にいきなり死球を与えて2死三塁を招くも高め直球で空振り三振。最速147キロの伸び上がる直球を軸に要所を締めた。四球もなしと制球力の高さも見せつけ、甲子園初出場初白星をもたらした。

 同校は21年秋の東海大会で準優勝したが、22年春のセンバツ出場校に選ばれなかった。不可解な選考は物議を醸し、“不運”の高校として世間の注目を集めた。2017年に就任した校長と兼任する上村敏正監督(68)は「本当にこの学校はなかなか甲子園に出られなくて。やっとの思いで出てきた」と苦難の道のりを思い返した。

 浜松商で春夏通算7度甲子園に出場し、09年に掛川西でもセンバツに出場した指揮官は史上3人目となる昭和、平成、令和の3元号勝利を達成。「長くやってりゃ誰でもできるんですよ」と笑い飛ばした後、「うちの学校にとって大きな1勝」と胸を張った。

 ◆高部 陸(たかべ・りく)2009年1月5日生まれ、16歳。埼玉県深谷市出身。174センチ、68キロ。左投げ左打ち。投手。小1から根住少年野球で野球を始め、南中では武蔵嵐山ボーイズでプレー。中3時にはジャイアンツカップ出場。聖隷クリストファーでは1年春からベンチ入り。50メートル走6秒5、遠投100メートル。

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