横浜 主将阿部葉が涙、3度目挑戦で神奈川頂点 春夏連覇へ「横浜らしい野球をしていきたい」

 「高校野球神奈川大会・決勝、横浜11-3東海大相模」(27日、横浜スタジアム)

 神奈川大会は決勝戦が行われ、今春センバツ王者の横浜が東海大相模を逆転で下し、甲子園切符をつかんだ。2年連続で決勝戦で涙をのみ、3度目の挑戦で立った神奈川の頂点。阿部葉太主将(3年)は報われた3年間を思い返し、グラウンドで男泣き。村田浩明監督(39)が掲げる全員野球。ホンモノの強さを引っ提げて春夏連覇へ挑む。

 スタンドで待つ仲間の姿に、阿部はこらえられなかった。歓喜の涙がスーッとあふれる。「2年間全て準優勝。本当に夏は難しいんだ。そんな思いが自分にはあった」。一人ではない、みんなで成し遂げた夢が形になる。3度目の挑戦で見た神奈川の頂点。ベンチ外の仲間の前で宙を舞った。

 この日の試合も劣勢だった。それでも準々決勝、準決勝と逆転勝利で勝ち進んできた強さがある。3点を追う四回だ。1死一塁で、阿部は迷うことなくスタートを切った。「奥村が何とかしてくれる。ヒット1本で、1点取れるような状況を作ろう」。得点圏に進むと、奥村頼人投手(3年)の2ランで生還した。

 主将と4番の信頼がチーム全体を強くする。江坂佳史外野手(2年)の同点打に、駒橋優樹捕手(3年)の勝ち越し打で一気に逆転に成功した。五回にも3得点。昨夏、東海大相模に逆転を許した因縁の八回を前に、村田監督から「変わらないぞ」とゲキが飛んだ。阿部が適時打を放つなど、8点差に広げて悪夢を払拭した。

 2年時に阿部は異例の主将に指名された。苦しい思いも経験しながら、仲間と一緒に進んできた3年間がある。この日は普段から大事にする「負けない野球」ではなく、「勝つ野球」をテーマにした。選手として入学するも、現在は裏方に回って支える林田大翼記録員(3年)の存在には「林田がマネジャーになってくれたから勝つことができている」と感謝は尽きない。全員の思いを背負って、何としても勝ちたかった。

 「春のセンバツが終わってからまた夏、甲子園に呼ばれるチームになって帰ってきますと約束して、それを果たすことができました。一戦必勝で泥くさく、横浜らしい野球をしていきたい」

 村田監督は主将を「全員野球が生んだキャプテン」と評する。センバツ王者として戦う夏は、ようやくスタートラインに立った。ホンモノの強さを見せる戦いへ、仲間と駆け抜ける夏が新たにここから始まる。

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