「高校野球神奈川大会・準決勝、横浜４－３立花学園」（２６日、横浜スタジアム）

　センバツ王者の横浜が逆転で決勝進出を決めた。「４番・左翼」で出場したエース左腕・奥村頼人投手（３年）の２打席連発で逆転し、九回１死三塁のピンチで登板。好救援で試合を締めた。

　五回から好リリーフを見せていた織田が九回につかまった。１死二塁からボークで走者を三塁へ進めたところで、村田監督はエースをマウンドへ送り込んだ。カウント途中からの難しい登板だったが、鮮やかに後続を仕留めてゲームセット。決勝進出へ導いた。

　バットでは３点を追う四回先頭で３球目を捉えバックスクリーンへ飛び込むソロを放ち、２点差に迫った。公式戦初アーチだったが、さらに「ホームランの後の打席が大事」と１－３の五回２死一、三塁では、２ボールからの変化球を捉え、右越えへ逆転３ラン。大会５０号となる劇的な２打席連発で一気にチームを勢いづけた。横浜スタジアムは大歓声に包まれた。

　準々決勝では先発も２回途中３失点で降板。それでも九回２死から主将・阿部葉太外野手（３年）の逆転サヨナラ打で劇的勝利を決め、試合後に号泣。「この間、自分がそういう展開にしてしまった時にチームのみんなが助けてくれた。今度は自分が助ける番だと思ってきょうの試合に臨んだ」という。

　２発４打点＆好救援でチームを決勝へ導いた。立役者は間違いなくエース左腕だ。「苦しい展開でも自分の一本で変えられると思った」。悔し涙を見事に晴らす大暴れだった。