昌平16強 諏江サヨナラ満弾で花咲徳栄に昨夏決勝の雪辱 初の甲子園へ「自分たちが初出場刻む」
「高校野球埼玉大会・4回戦、昌平5-1花咲徳栄」(19日、越谷市民球場)
迷うことはなかった。タイブレークの延長十回に突入。2死満塁で迎えた諏江武尊(すえ・たける)内野手(3年)は、甘く入ったスライダーを狙い澄ましたようにフルスイング。夢を乗せた打球が左翼席芝生に消えた。劇的なサヨナラ満塁弾で昨夏の決勝で敗れた花咲徳栄に雪辱し、ベスト16に駒を進めた。
「いってくれっていう思いでした。二塁審判が腕を回していて、ホームランと気付きました」
高校通算4本目という貴重なアーチが、リベンジの大舞台で飛び出した。握りしめた帽子のつばには、自身のモットー「果敢」の2文字。頂点へ一歩も引かない志が、かけがえのないグランドスラムを呼び起こした。
忘れられない記憶がある。昨年の決勝。相手も同じなら、状況も同じタイブレークだった。八回から途中出場した諏江は悔し涙を味わった。
「エラーもして負けてしまった。今日、同じような場面だったので運命かと思った。『返してこい』っていう神からのお告げだと思った」
強豪ひしめく埼玉で昌平は近年、上位進出の常連となり、初の甲子園切符を狙う。諏江は「自分たちが初出場を刻む。そのつもりでこの夏に入っている」と言葉に力を込めた。





