ヤクルト・奥川 351日ぶり勝利 開幕投手“大トリ”7回0封今季1勝「ホッとしています」
「ヤクルト3-1広島」(19日、神宮球場)
やっと長いトンネルから抜けた。勝利の瞬間、満面の笑みを浮かべ、白い歯を何度も見せた。ヤクルト・奥川が“9度目の正直”で今季初、351日ぶりの白星をゲットした。「これまでチームにたくさん迷惑をかけてきた。ホッとしています。勝つってこんなに、うれしいんだなと改めて思いましたね」。安堵(あんど)感をにじませた。
覚悟を決め、ストライクゾーンで勝負した。直球が走り、変化球を効果的に使った。21年以来4年ぶりに7回を投げきり、3安打8奪三振無失点と好投。今季、12球団の開幕投手の中で“大トリ”で勝利をつかんだ。
エース候補が苦悩した。ここまでは安定感を欠く投球が多く、8試合で0勝4敗。「たくさん勝ち数を重ねたいと思って先発をやっている。勝てないのは、すごくしんどいですね」と正直な思いを吐露。その悔しさをバネに奮起した。
高津監督は「まだまだ未熟な部分もたくさんある。これから大きく成長していくピッチャー」と期待を込める。チームが最下位にあえぐ中、右腕が輝きを放ち、光明をもたらした。





