日本ハム・達 完投でデビューから全先発7連勝 けん制で大ブーイング「ちょっと楽しくなって。もう一回」
「西武1-2日本ハム」(14日、東京ドーム)
ベンチ裏の通路に現れた日本ハム・達孝太投手(21)は、苦笑いで少し悔しげに首を振った。「ホームランさえなければ完封だったんで」。満足はできない。それでも1失点で今季2度目の完投勝利。開幕6連勝で、自身が持つプロ野球記録の初登板から全て先発での連勝を7に伸ばした。
頼もしくマウンドに仁王立ちした。許したのはわずか2安打、122球でねじ伏せた。七回にネビンにソロを浴びた直後は、1死一塁で代走・滝沢にけん制すると、相手ファンから大ブーイングを浴びた。すると「すごかったので、ちょっと楽しくなって。もう一回聞きたいなって」と再びけん制。ブーイングさえ、楽しむ余裕があった。
新庄監督もうれしそうに目を細めた。「本人はたぶん言いますよ。『完封じゃなくて悔しい』って」と笑いながら、達が話す直前に予言。「安定感ありますし、楽しんでそうでしょ」と勝ち気な右腕の成長を喜んだ。
若手も台頭して首位を快走。この日のオーナー会議では、井川伸久オーナーが「出来すぎと言ったらまた怒られそうなんですけど、想定以上の成績を挙げていただいている」と指揮官の手腕を絶賛。来年以降の去就については「まったく話は出ていないですね」としつつ「それよりも今年を最終的にどうするかに注力したい」と、優勝への期待感をにじませていた。
リーグ50勝一番乗り。貯金を18とし、自身の就任後では最多を更新した新庄監督だが「いやいや、2011年は24ありました」と満足などしない。連勝記録を継続した達は「意識していたので勝ててよかった」と言い切った。ガッチリとかみ合った歯車。進撃はまだまだ止まらない。





