異色の“ドラ1”ヤクルト・中村優 長崎県立諫早農業高の農業土木科出身 高校時代からあった“意志力”の高さ

 「広島0-5ヤクルト」(3日、マツダスタジアム)

 最速160キロ右腕が潜在能力の高さを披露した。勝利の瞬間、何度も白い歯を見せ、歓喜の輪の“主役”となった。ヤクルトのドラフト1位・中村優(愛知工大)がプロ2度目の先発で、5回を7安打無失点と力投し初勝利。「本当にうれしい気持ちです」と素直な言葉を口にした。

  ◇  ◇

 異色の“ドラ1”と言ってもいい。中村優は長崎県立諫早農業高の出身。所属は農業土木科だった。

 高校3年時の担任だった同高の西村健幸教諭(44)は「部活はストイックにやっていた」と当時を懐かしそうに振り返る。スクワットなど筋トレに励み、自身の投球フォームについて周囲に聞いて回り意見を求めるほど研究熱心だった。部活がどんなに忙しくても「メリハリがあった。やる時はやっていた」と熱心に勉強にも取り組んだ。同高関係者によると「測量士補」など10以上の資格を取得したほど文武両道を実践した。

 3年時、親を交えた三者面談。西村教諭が愛知工大卒業後の就職先について聞いた時だった。中村優は「プロ野球選手を目指します」と希望を語ったという。公立の諫早農業高では当時、「9割の生徒が公務員希望」で、地元の県庁や市役所などに就職するのが慣例だった。西村教諭は「プロ野球選手になるという生徒を聞いたことがなかった。ビックリした。意志があったんだと思います」と明かす。

 高校時代はエースとして活躍したが甲子園出場経験はなく、発展途上の右腕だった。愛知工大では球速が劇的に上がり、大学生ながらも侍ジャパンに抜てきされるほど急成長した。そしてプロ野球選手になるという夢を実現させた。これも“意志力”の高さがあったからだろう。(デイリースポーツ・ヤクルト担当 伊藤玄門)

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