安仁屋宗八氏 長嶋さんは沖縄でも大ヒーロー「“この人から三振を取りたい”というのが僕の夢だった」

 国民的スーパースターで「ミスタープロ野球」の愛称で親しまれた巨人・長嶋茂雄(ながしま・しげお)終身名誉監督が3日午前6時39分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。デイリースポーツ評論家・安仁屋宗八氏が悼んだ。

  ◇  ◇

 シーズン初め、車椅子姿ではあったが、元気なのかなと思って拝見していただけにね。今朝ニュースを聞いて本当に驚いた。涙が出ましたよ。

 長嶋さんは沖縄でも大ヒーローで“この人から三振を取りたい”というのが僕の夢だった。巨人戦は沖縄でも放送されて家族に頑張っているところを見せられるし、評価も倍になるから張り合いがあった。

 その長嶋さんが僕のシュート対策にと、自主トレ中に新聞紙を丸めたボールを新聞記者の人に体近くへ投げさせて、打つ練習をしていたらしい。試合になると、ホームベースから少し離れて立ってシュートを狙っている感じだった。それでも逃げずに挑んでいったものだ。

 周りの人に気を使い、みんなが溶け込みやすい雰囲気を作ってくれる優しい人でね。僕が球宴に初めて選ばれたときはロッカーで“頑張れよ”と声をかけに来てくれた。巨人とは目の色を変えて戦ったが、長嶋さんへの“ヤジ”など聞いたことがなかった。それほど偉大な人だった。

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