「仙台六大学野球、東北福祉大２－０仙台大」（２４日、東北福祉大学）

　今秋ドラフト候補の東北福祉大・桜井頼之介投手（４年・聖カタリナ学園）が、優勝を争う仙台大を相手に完封勝利を挙げた。これで３季ぶりＶへ王手。「プロ一本」と希望進路を明言した中、１２球団のスカウトを前に最高のアピールを見せた。

　大一番で最大限の力を発揮した。ともに開幕から連勝で迎えた仙台大との直接対決。「１イニングずつ後ろにつなぐ気持ちでした」と初回から１４９キロを連発するなど全開だった。最大の危機だった三回２死一、三塁では、プロ注目の好打者・平川を１４９キロで空振り三振に。九回にこの日最速１５１キロを２度計測するなど出力は衰えず。多彩な変化球も駆使し、被安打４、８奪三振と相手に的を絞らせなかった。

　チームメートの１５７キロ右腕・堀越啓太投手（４年・花咲徳栄）を中心に視察に訪れたスカウトも多かったであろう中、視線を独り占め。畑山統括スカウトら４人態勢で視察した阪神の葛西スカウトは「制球が良く、直球にキレがある。投球術も持っている」と評価した。

　「自信になります。明日も全員で１勝したい」と桜井頼。気合の投球でチームを勢いづけた。

　◆桜井　頼之介（さくらい・よりのすけ）２００３年７月２１日生まれ、２１歳。兵庫県尼崎市出身。小１から難波ホークスで野球を始め、尼崎中央中では尼崎ボーイズでプレー。聖カタリナ学園では１年秋からベンチ入りし、同校の甲子園初出場となる３年春センバツでは１回戦で完投も敗戦。東北福祉大では１年秋にリーグ戦デビュー。５０メートル走６秒２、遠投１２０メートル。変化球は２種類のカーブ、スライダー、縦スライダー、カットボール、チェンジアップ、スプリット。