西武・今井 ノーヒットワンラン星「100点に近い投球」 チーム3連勝を継投で61年ぶり快挙、NPB5度目

 8回、嶺井を見逃し三振に仕留め雄叫びを上げる今井(撮影・佐藤厚)
 力強く投げ込む今井(撮影・佐藤厚)
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 「西武2-1ソフトバンク」(18日、ベルーナドーム)

 西武は過去102度あった無安打無得点試合は達成できなくても、それ以上に珍しい“無安打有得点”での白星が、熱投のエースの頭上に輝いた。「無安打は頭になかった。記録よりチームを勝たせることだけだった」。今井が強調したのはチームの勝利だけ。117球を投げ、8回無安打1失点で歴史的な一勝を導いた。

 「五回終わったくらいから、そう言えば打たれてないなぐらいでしたけど。点取られちゃったんで、九回は絶対的な守護神がいるので『任した』という感じです。(無安打継投は)本当に100点に近いピッチングができたと思います」

 偉業達成にも、悔やんだのは1点リードで迎えた七回の失点だった。1死三塁で迎えた山川との対戦。「一発打たれて逆転されないことだけ考えていた」とフルカウントから丁寧に外角スライダーを投じて三ゴロに打ち取ったが…。打球は高いバウンドとなり三走を本塁に返してしまった。

 「頭になかった」という失点の形に頭を抱えたが、その裏に味方打線が決勝点を奪うと「もう1イニング頑張ろう」と八回を3人でピシャリ。力強いガッツポーズを繰り返してほえると、スタンドも熱く沸き上がった。無安打のまま降板すると、九回は平良が締めてゲームセット。継投でのプロ野球史上61年ぶり5度目という記録となった。

 この日は「ライオンズ75周年シリーズ」と銘打って開催され、特別ユニホームを着用。西口監督は「何も言うことはございません」と右腕の力投をねぎらった。チームは今季本拠地初勝利。お立ち台で、少し言葉を詰まらせる場面もあった今井は「このカードを勝ち越し、3連戦3連勝できるように球場に足を運んでください」と力強く言葉を放った。

 ◆無安打有得点は過去4度 相手を無安打に抑えながら失点を喫する、いわゆる「ノーヒット“あり”ラン」は過去4度しか記録されていない珍事。1939年5月6日に南海が阪急を相手に宮口-平野の継投で達成したが試合は敗れている。同年8月3日にはイーグルスの亀田が金鯱を相手に1人で初めての達成。さらに59年5月21日の村山実(阪神)は唯一の2失点を喫しながら、試合は巨人に3-2で勝利。64年5月13日に近鉄が南海を相手に牧野-山本の継投で達成したのが最後となっていた。

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