「巨人・坂本はまだまだやれる」打撃の名伯楽・内田順三氏が断言する理由 三塁併用が続く中山の課題は-

 巨人は三塁で坂本勇人内野手(36)、中山礼都内野手(23)の併用が続いている。ベテランの復活と若手の成長が期待される中で、ここまで坂本は打率・129、中山は同・226。それぞれの状態、課題をどう見るか。打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が解説する。

 ◇ ◇

 中山にしてもショートの門脇にしても、いいものは持っているけど、レギュラーとしてなかなかカチッと固まらない状態。坂本と高いレベルで競争させるのが理想だけど、今はそうなっていないよね。

 ただ、吉川だって、本当に外せない選手となったのは昨年くらいから。そう考えると、プロでレギュラーをつかむというのは容易なことではないし、今年に関しては併用しながら中山に力をつけてほしいというのがチームの思いだろうね。

 坂本は去年、今年と苦しんではいるが、左打者が多いチーム事情を見ても外せない選手だ。年齢のことを言われるが、技術的にもまだまだやれる。そう思うのは、守備を見ればまだまだ足は動いているから。巨人のコーチ時代、彼のいい時も見ているが、向上心がものすごくあるタイプで、練習を緩めるようなことは絶対にしなかった。そうでなければ、プロで2400本もヒットを打つことなんてできないからね。

 技術的なことを自分が言うのもおこがましく感じるほどの選手だが、苦しんでいるのはちょっとしたタイミングの部分。当然、年齢もあって体のキレが変わっていることもあるだろうし、ポイントにズレが生じている。トップを作り、そこから自分のポイントにワンピースでバットを出すのが理想だが、今はどうしても反動が大きくなり、余分な動きが入る。だから低めのゾーンは打てるが、差し込まれることが増えているよね。

 ただ、坂本自身も打席の中でバットを短く持って見たり、タイミングの取り方を変えてみたり、と試行錯誤しているのが分かる。まだまだ修正するための引き出しは多く持っているはず。これから必ず、いい方向に変化してくる。

 中山はオープン戦でも結果を出していたが、去年よりさらにスイングが強くなっていて、将来は必ずレギュラーをつかめる選手。積極性があるのもいいし、広島・小園のように第1ストライクから積極的に打っていく攻撃的スタイルでいい。

 課題となるのは追い込まれてから、3ストライク目の打撃だろうね。やっぱり、一球で仕留めるのは簡単ではないし、追い込まれてから、泥くさい打撃ができるか。このあたりは失敗を肥やしにしながら成長していってほしいね。

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