花巻東・森下 大船渡山火事で実家被災「自分は野球を一生懸命することしかできないので」観戦の家族を励ます全力プレー
「選抜高校野球・準々決勝、健大高崎9-1花巻東」(26日、甲子園球場)
災害に見舞われた地元へ勇気を届けるために花巻東(岩手)の森下祐帆内野手(3年)は甲子園で奮闘した。「とにかく一生懸命プレーできたのでよかった」。大会直前に故郷を襲った悲劇にも屈せず全力で聖地を駆け回った。
2月26日に発生した岩手県大船渡市の山林火災で祖父母宅は全焼し、隣接する実家も被害にあった。「地元が火事になったのは知っていたけど自分の家とは…。住めないくらいの状況になってしまった」。父から電話で知らされてあぜんとした。家族は全員無事だったが、家に戻ることはできずにマンションの部屋を借りて生活。「野球に集中できなかった」と大舞台を目前にしても、頭は家族や地元の仲間への心配で埋め尽くされた。
支えとなったのは家族。実家のことで手いっぱいのはずの両親からは「野球に集中してほしい」と励まされた。両親とともに祖父母は甲子園に駆けつけて観戦。「そんな余裕ないと思うんですけど。応援に来てくれるだけでうれしかった」。家族を元気づけようと聖地で必死に白球を追った。
今大会は3試合で10打数4安打、打率・400。正遊撃手として攻守でチームをけん引した。「自分は野球を一生懸命することしかできないので、とにかく全力で取り組む。夏の甲子園に向かっていきたい」。勇姿は大船渡に届いたはずだ。
◆森下 祐帆(もりした・ゆうほ)2007年9月25日生まれ、17歳。岩手県大船渡市出身。176センチ、68キロ。内野手。右投げ右打ち。小学2年で綾里はまっこで野球を始め、東朋中では軟式野球部に所属。花巻東では2年春からベンチ入り。50メートル走6秒0。遠投85メートル。


