阪神VSオリックスは「先発投手の出来の差が明暗を分ける」両球団に在籍した野田浩司氏がシリーズ予想

 59年ぶりの関西対決となるオリックス-阪神の日本シリーズが28日から京セラドーム大阪で始まる。ペナントレースを圧倒し、CSを順当に勝ち上がった両チームによる頂上決戦を制するのは?両球団に在籍経験のある野田浩司氏(デイリースポーツウェブ評論家)がシリーズの行方を占った。

 オリックスは前身の阪急時代も含めて日本シリーズで阪神と戦うのは初めて。いつか来るとは思ってたけど、ようやくという感じですね。

 関西対決自体が59年ぶりだという。しかし、そういう“ローカル”な話題を抜きに、非常に楽しみなカードです。何しろペナントをぶっちぎり、CSも楽々勝ち抜いてきたチーム同士の対戦。どんなシリーズになるのか興味深いですよ。

 両チームとも先発投手の質が高く、リリーフ陣も強力で先行-逃げ切りの必勝パターンを持っている。おそらくどの試合もロースコアの展開になるでしょう。

 逆に言えば、先発投手の不調が試合結果に直結してしまうとも言える。一度リードされると、そう簡単にひっくり返すことができないほど、お互いに救援陣のレベルが高い。

 中でも注目しているのは1、2戦目に投げる先発投手の出来。この差がシリーズのカギを握ると思っている。流れをつかむという意味もあるし、仮に7戦目までもつれた場合、再び登板する可能性があるから。

 投手目線という立場から見て、打者で注目しているのは阪神なら近本、中野の1、2番。“抑えにくいイヤなタイプ”で調子に乗せると厄介だからね。佐藤輝やノイジーは穴が大きく波があるが、彼らも調子づかせないよう気をつけたい。

 オリックスなら森でしょう。今シーズンはかなりいい場面で打ってきた。初戦で乗せてしまうと手がつけられなくなるから要注意。阪神バッテリーも徹底して攻めると思うが、穴の少ない打者ですよ。

 中川圭も警戒しておいたほうがいい。杉本は足に不安があるが、シーズン中も杉本不在で勝ってきたからね。常に何とかしのいで勝つうちに経験を積み、自信をつかんできた。それがオリックスの強みになっている。

 今回の日本シリーズは僕にとっても感慨深い待望のカード。阪神とオリックスの両球団に在籍していたし、岡田監督も中嶋監督も一緒にプレーしているから、なおさらです。

 岡田監督はイメージ通りのまま監督になったという印象で、中嶋監督には監督のイメージがなかったというところでしょうか。

 現役時代の岡田さんは面倒見のいい人で、特に裏方さんに気を配っていた親分肌の先輩でした。とにかく野球には詳しかったし、いろんなことを知り尽くしている感じで、人脈も広かった。

 引退した選手は、よく岡田さんに挨拶の連絡をしていましたね。おそらく身の振り方などについて相談していたんでしょう。

 僕もタイガースからオリックスへのトレードを通告された際は、拒否したいという思いが強く、相談に乗ってもらったことがあったから。そこでグイっと背中を押してもらったことには今でも感謝してます。

 中嶋監督は現役時代に何度もバッテリーを組んだ間柄。“逃げたらダメ”と言って強気に投手を引っ張るタイプの捕手だった。

 直球のサインに首を振ってフォークを要求すると、また直球のサイン。首を何度振っても折れてくれず、最後は“もうお前を信じるわ”と根負けして投げてました。調子が悪いときなどは、声で気持ちを奮い立たせてくれていた。

 ただ個性は強かったけど、チーム全体を引っ張るという印象はなかった。それがFAで出たあと他球団で勉強し、オリックスへ戻ってきたときは人間が大きくなったというか、イメージが変わっていた。僕が知っているのはまだ20代の中嶋でしたから。

 1、2軍入れ替え時には必ず降格選手に声をかけて「調整の理由と目的」を明確に指示し再昇格させる。1、2軍全体で戦っている感じですね。

 さてシリーズ予想の結論は4勝3敗でオリックス。実力は拮抗しているが、やはり選手がこの3年間で積んだ経験は大きいと思いますね。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス