「阪神タイガース０－１横浜ＤｅＮＡベイスターズ」（１７日、甲子園球場）

　打った張本人も驚くほどの、完璧な弾道を描いた。代打で登場したＤｅＮＡ・大田泰示外野手が、一振りに勝利への執念を宿す。感謝の決勝アーチ。「昨日スタメンで出ていたので、今日はすんなりと打席に入れた」。ベンチで喜ぶ仲間が視界に入ると、笑った。

　投手戦が中継ぎ対決となった九回だ。先頭で打席に向かうと、初球の直球を振り抜いた。打球は大きな放物線で左翼フェンスギリギリを超えていく。「勝ちに貪欲になるしかない」と、２位浮上を目指すチームに勇気をもたらす一発となった。

　まだ優勝の雰囲気が冷めやらぬ敵地での大きな勝利。昨年は本拠地でＣＳファーストＳに敗れ、夢ついえた過去がある。「去年の悔しさもある中で、ハマスタで勝ちきって、甲子園にまた帰ってくる」。２位・広島、４位・巨人がデーゲームで勝利し、負けられなかった一戦での白星に覚悟が言葉になった。

　残された戦いは１１試合。阪神戦の球団通算８００勝目を追い風に、目指すＣＳ進出をつかみ取っていく。