オリックス・山本 2リーグ制以降初!2年連続ノーノー リーグトップ独走14勝目「気持ち良かった」

 「千葉ロッテマリーンズ0-4オリックス・バファローズ」(9日、ZOZOマリンスタジアム)

 オリックスの山本由伸投手(25)が、昨年6月18日の西武戦以来となる自身2度目の無安打無得点試合を成し遂げた。史上通算100度目で、達成者は通算88人。許した走者は四死球の2人だけで、チームは4-0で勝った。8月18日のソフトバンク・石川以来で、パ・リーグでは35度目。2年連続達成は2リーグ制後初で、複数回の達成は72年に3度目を果たした外木場義郎(広島)以来の快挙となった。

 29人目の打者を抑えると、ナインが一目散に駆け寄ってきた。山本は気持ち良さそうにウオーターシャワーを浴び、少年のように笑った。「すごく久々で気持ち良かったです」。圧巻。まるで打たれる気配がなかった。

 五回まで完全投球。六回、先頭の安田に四球を与え、完全試合こそ逃したが、周りの声にも背中を押されて切り替えた。運命の九回はロッテファンの大応援とノーノーを期待する声が入り交じった。異様な雰囲気、独特の緊張感が漂う。胸の高鳴りを感じながら、マウンドに立った。

 「最後の一人までドキドキだったんで、ホッとしている気持ちですね」。2死からの死球でこの日2人目の走者は出したが、最後は藤岡を二ゴロ。「今年は完封もできていなかったので、最高の結果になって良かった」。今季初完封をノーヒットノーランで決め、歴史に名を刻んだ。

 新フォームの原点にもなった沢村栄治、亀田忠以来で2リーグ制後初の2年連続達成。「もっともっと頑張って四球を出さないように高みを目指して頑張ります」。ここ最近は試合前に「完全試合をしましょう」と言ってきたという。有言実行の快挙だった。

 バックネット裏にはヤンキースのキャッシュマンGMなど、複数のメジャー球団のスカウトが視察した。「注目していただけることはすごくうれしいこと。いい結果が出たのでそれもまた良かった」。14勝で防御率1・26、勝率・737、145奪三振はリーグトップ。3年連続の投手4冠も見え、世界に“凄み”を知らしめた。

 どれだけ成績を残してもおごりはない。「野手のおかげ」。「若月さんの配球のおかげ」。勝った時こそ周りに感謝した。それは、平野佳や比嘉らベテランから学んだこと。「自然と調子に乗れない」。その姿勢が宮城を始め、後輩投手の最高の手本となっている。

 チームは連敗ストップで優勝マジック12。もう死角はない。3連覇へ、歴史的な1勝で一気に加速させる。

 ◆山本 由伸(やまもと・よしのぶ)1998年8月17日生まれ、25歳。岡山県出身。178センチ、80キロ。右投げ右打ち。投手。都城から16年度ドラフト4位でオリックス入団。最優秀防御率(19、21~22年)、最高勝率(21~22年)、最多勝(21~22年)、最多奪三振(20~22年)。21、22年の2年連続で沢村賞とパ・リーグ最優秀選手。21年東京五輪金メダル。23年WBCも日本代表の優勝に貢献。

 ◆NPB通算100度目 第1号は1936年・沢村栄治(巨人)。山本は今年8月18日・西武戦で達成したソフトバンク・石川柊太に続き通算100度、88人目。

 ◆2リーグ後初の2年連続 山本は昨年6月18日・西武戦に続き2年連続。過去には1リーグ時代の36年、37年春の沢村と40、41年の亀田忠(イーグルス、黒鷲)の2人で、山本は82年ぶり。

 ◆複数回達成は51年ぶり10人目 過去に複数回達成は沢村と外木場義郎(広島)が3度、石田光彦(阪急)、亀田、中尾輝三(巨人)、藤本英雄(巨人)、真田重蔵(のちに重男と改名、大陽、阪神)、金田正一(国鉄)、鈴木啓示(近鉄)が2度。山本の複数回は、外木場が3度目に達成の72年以来。

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