「全日本大学野球選手権・１回戦、仙台大４－１桐蔭横浜大」（６日、神宮球場）

　１回戦４試合と２回戦２試合が行われた。８年ぶり３度目の出場となった仙台大は延長十回タイブレークで桐蔭横浜大を下して２回戦に進出。先発した佐藤幻瑛投手（１年・柏木農）が自己最速を３キロ更新する１５２キロをマークするなど５回１／３を３安打無失点と好投した。

　衝撃の全国デビューを果たした。先発したスーパールーキー・佐藤が自身初の全国大会で躍動し、初戦突破に貢献。まだあどけなさが残る１８歳は「相手の応援もあってちょっとだけ緊張したけど、投げているうちに緊張しないで投げられました」と役割を全うした。

　１年生らしからぬ投球だった。初回に走者を出したが無失点で切り抜けると、二回には６番打者を自己最速の１５２キロ直球で空振り三振に。緊迫した展開が続く中で堂々の投球を披露し、バックネット裏のスカウト陣に強烈なインパクトを残した。

　青森県黒石市出身。柏木農時代は特に目立った成績もなく、知る人ぞ知る選手だった。仙台大には「体験に行って先輩たちも優しいし、雰囲気も合っていて、勘なんですけど、いいかなと」と進学。高校時代を知る阪神・葛西スカウトは「自信を持って投げている。急激によくなった。今後も注目したい」と熱視線を送った。

　将来は「プロ野球選手になりたい」という右腕。オリックス・宇田川ら好投手を輩出した大学で、さらに腕を磨く。

　◆佐藤幻瑛（さとう・げんえい）２００４年１２月１７日生まれ、１８歳。青森県黒石市出身。１８０センチ、７８キロ。右投げ右打ち。投手。牡丹平小３年から野球を始め、黒石中では軟式野球部でプレー。柏木農では１年春からベンチ入り。３年夏は２回戦敗退。仙台大では１年春からリーグ戦で登板し、３勝０敗。最速１５２キロ。