広陵・高尾 九回力尽き悔し敗戦も直球に手応え 172cmの2年生エース夏へ「一番信頼される投手に」

 「選抜高校野球・準決勝、山梨学院6-1広陵」(31日、甲子園球場)

 広陵は1-6で山梨学院に敗れ、03年以来20年ぶりの決勝進出を逃した。先発した高尾響投手(2年)は粘りの投球をしながら、九回に勝ち越し点を奪われた。3試合に先発した今大会の経験を夏につなげる。

 悔しさが募った。1-1の九回1死二塁。高尾は外角低めのスライダーを中前へはじき返された。「ワンバウンドを投げる場面。少し高くなった」。失投ではなかったが、わずかに狂った指先が勝ち越し点につながった。

 終盤までしびれる投手戦。球数が増えても直球の威力は衰えず、決め球のスプリットも鋭く落ちた。「気持ちで投げていた」。九回は4点目を奪われた直後に交代を告げられたが、熱投に大きな拍手が巻き起こった。

 今大会は3試合に先発した。初戦の二松学舎大付戦は8回5安打無失点と好投し、3回戦の海星戦では155球完投でチームに勝利をもたらした。

 「内角の真っすぐはある程度を通用した」。身長172センチと決して恵まれた体格ではないものの、打者の手元で伸びる直球には手応えを感じ取った。

 2年生ながら名門の背番号1を背負う。中井哲之監督(60)は「球が速い投手より、勝てる投手になってほしい。本人もそう思っていると思う」と力を込めた。期待は大きく、この経験を成長の糧としてほしいと願った。

 高尾は「チームで一番信頼される投手になりたい」と顔を上げた。収穫も課題もあった初めての甲子園。たくましくなった姿で、夏に再び聖地のマウンドに立つ。

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