作新学院・川又 5者連続四死球に涙「自分がこの試合を壊してしまった」責務果たせず

 「選抜高校野球・準々決勝、山梨学院12-3作新学院」(29日、甲子園球場)

 マウンドから降りると涙が止まらなかった。春夏通算27度の甲子園出場を誇る名門・作新学院(栃木)の背番号1を背負って聖地に立った川又楓投手(3年)。期待に応えられなかった悔しさ、責任感、自身へのふがいなさ…。さまざまな感情が目を真っ赤にした。

 「自分がこの試合を壊してしまったので、本当にチームのみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 異変が起きたのは0-1の三回だった。2点を失ってなおも2死三塁。「どうしてもストライクが入らない状態で、自分でも周りが見られていなかった」。7番から5者連続四死球。試合前に小針崇宏監督(39)から伝えられていた「四回」には到達せず、2回2/3を4安打8失点で8四死球の大乱調となった。

 「熱心にトレーニングや練習もする」と指揮官。ただ、考えすぎる性格が裏目に出た。昨秋からフォームを改善。一時はしっくりきていたというが、甲子園への出発1週間前に「フォームがおかしくなって、焦りもあった」と不安を抱えたままの本番だった。

 不調と戦いながら今大会は全3試合に先発し、23年ぶりの8強入りに貢献した。「夏、完投できるような体力を持って、絶対的エースと言われるようなピッチャーになって帰ってきたい」。流した涙の分だけ、夏は笑顔を咲かせる。

 ◆川又楓(かわまた・かえで)2005年8月7日生まれ、17歳。栃木県宇都宮市出身。175センチ、75キロ。左投げ左打ち。投手。姿川第一小3年から姿川第一野球クラブで野球を始め、姿川中では栃木ヤングベースボールクラブでプレー。作新学院では2年秋からベンチ入り。50メートル走6秒5。最速134キロ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス