侍・栗山監督 4番・村上にこだわらない「勝つために1番・村上もある」【一問一答】
野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督(61)が17日、11月開催の強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」(5日・日本ハム戦、6日・巨人戦=東京ドーム、9、10日・豪州戦=札幌ドーム)を前に、デイリースポーツのインタビューに応じた。栗山監督との一問一答は以下の通り。
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-今回の強化試合4試合の意義は。
「今日一日に全力を尽くさなければ、明日につながっていかないというのが自分の中にはある。それが、先(WBC)につながるいい試合になったらと思っている」
-今回のメンバーでは村上の4番が適任。
「例えば攻撃的な形を組む時に、なぜメジャーでジャッジ(ヤンキース)、トラウト(エンゼルス)があそこ(2番)にいるのかという考え方をするのか、それとも4番といういろいろなメッセージを含めて考えるのか。何が一番大切なのかを試合までに考えたい。そこはもう、好きに書いてください。勝つために1番・村上もあるぞでもいいので」
-村上はヤクルトでもチームリーダー。プレー以外での期待は?
「打てずに悔しい思いをして帰ってきても、ベンチの一番先頭で声を出している。チームリーダーに年齢は関係ない。できれば若い人たちが引っ張れるというのが一番いいと思っている。そういう意味で、すごく大きな期待をしている」
-監督が重視するスピード面では阪神の近本、中野がいる。
「やはり日本が勝つならば投手中心にしっかり守って、少ないチャンスを生かしていく。例えば、米国のメンバーを見て10-0で勝つイメージはできない。そう考えた時に、スピードを生かせる選手たちがどういうふうにプレーするか。中野、近本の能力の高さは分かっている。一緒にやってみたいなっていうのがあった」
-代表のショートは長く坂本勇人がいたが、中野の台頭で競争が激しくなる。
「若手が伸びて、経験者が年齢を重ねていく中で非常に差が縮まってきている。そういう意味で過渡期という表現をずっとしてきたのだけど。やっぱり中野が入って阪神が変わった感じがあるよね。(西武前監督の)辻さんも言ってたけど、源田が入って西武は変わったっていうのは事実。阪神も中野の存在は大きかった」
(続けて)
「近本もそういう存在。どうしても外野手は長打が欲しくなるけど足を使えて、たくさん塁に出る、ヒットを打てる方が日本は勝ちやすいのかなと」
-佐藤輝の2年目の成長をどう見る。
「本人は、もう少しホームランを打ちたかったと思うかもしれないけど、すごくいい経験をしたシーズン。ある意味、村上が同じリーグにいたのは彼にとっては大きかっただろうと。成績的には悪くないけど、もっと打たなきゃいけないっていうのが課題としてハッキリする。人に言われてじゃなく、自分が感じられる環境っていうのはすごくいい」
-村上への意識は佐藤輝を成長させる。
「あとはそういう打者、岡本和、村上、今回は来てないけど山川が一、三塁手にいて、本当に競争してもらうしかない。ただ、内野も外野もできるのは彼の強みなんでね」
-若い選手が日の丸を背負えば、レベルが上がるきっかけに。
「われわれがやってあげられるのは本気にさせること。今回、テル(佐藤)もイメージできるはずなんで。(WBCは)アメリカからも選手が来る可能性がある。自分が何番を打てるのか、試合に出られるのかって想像を巡らした時、もっと打たなアカン!と絶対に思ってくれる。全部の能力を出せたら間違いなく日本の4番を打てる打者。それをこっちは期待するだけ」
-湯浅は今年急激な成長曲線をたどった。
「今回のCSでも矢野監督が2回、イニングをまたがせた。それを実は見てみたかった。湯浅にとっては大きかったと思う。あのタイプはオリックスの山崎颯、宇田川、楽天の西口…たくさんいるんだけど、湯浅の、特に阪神であそこ(セットアッパー)を務められたという経験は、ジャパンの監督としては大きいかなと思うね」





