【オピD】ヤクルト・村上はどこまで本塁打記録を更新するのか 三すくみのCS争いが微妙な影
連覇の重荷を下ろしたヤクルト・村上宗隆(22)は、どこまで本塁打記録を更新できるのか。三すくみのクライマックスシリーズ(CS)争いが微妙な影を落とす。
高津ヤクルトが、ノムさんこと故野村克也監督時代以来、29年ぶりのリーグ連覇を達成した。当時、担当記者として胴上げ原稿を書いた立場としては、月日がたつのは早いものだ-と改めて実感した。今後は12日から神宮球場で始まるCSファイナルステージを勝ち抜き、球団史上初となる2年連続日本一を目指すことになる。
ヤクルトの今季の残り試合は「6」。その6試合を使ってCSファイナルステージ、日本一に向けての調整を行うことになるが、ファンの興味は村上様の本塁打記録だろう。
現在、令和初、史上最年少での三冠王獲得に向けて打率、本塁打、打点の3部門で首位に立っている。だが、13日の巨人戦で王貞治氏(ソフトバンク会長・82)に並ぶ55号を放って以来、9試合快音を聞かれていないプチスランプだ。
今季は世界記録の5打席連続本塁打、史上最年少での150号到達といった数々に記録を残した。だが、優勝争いするチームの4番打者として味わうプレッシャーは並大抵ではなかったはず。
ヤクルト担当記者時代、野村さんから「ホームランはスランプの前兆や」という言葉を何度も聞かされた。村上のようなホームランアーティストには、あまり当てはまらないが「頭でわかっていても、身体がホームランをほしがる。きれいなホームランを打ち、ゆっくりベースを1周するのは快感。みんな自分の打球に酔ってしまい忘れられなくなる」という意味だ。快感に味をしめて、一発狙いの雑なスイングになりがちで、打撃を崩してしまう危険は誰でもある。
ただ、優勝も決まりリラックスした気分で打席に立てるようになった。本来の打撃を取り戻すのは時間の問題だろうが、周囲を取り巻く状況はシビアだ。ヤクルトは今後6試合で阪神戦3試合、広島戦2試合を残している。この両チームに加え巨人も、自力での進出の可能性こそ消滅したが、CSに出場できる3位確保に向けて痺(しび)れる戦いを繰り広げている。どのチームの1敗もできない状況だ。申告敬遠を含めて、試合を決定づける能力を持つ村上との勝負を避け、歩かせる可能性が増えてくるだろう。村上にしてもポストシーズンを考えて安易にボール球を打ちにいき、打撃の状態をこれ以上狂わすことは避けるだろう。
野球ファンはウラディミール・バレンティン(38)の持つ日本記録・60本塁打超えを期待している。だが、どのチームもペナント・レースで3位に入るのと4位で終わるのは雲泥の差。勝負を避けられて、何度も球場がブーイングやため息に包まれるような気がしてならない。(デイリースポーツ・今野良彦)
